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第320回 【オリックス】2023年新外国人ジェイコブ・ニックス投手の投球分析

2023年2月9日

ジェイコブ・ニックス投手の総評

2022年12月22日、オリックスが新外国人選手としてパドレス傘下のジェイコブ・ニックス投手(27)と大筋合意していることが報道されました。

ニックス投手は「回転数が多いスクリューのようなチェンジアップ」と「縦に落ちるカーブ」が武器な先発投手です。

今回はそんな「【オリックス】2023年新外国人ジェイコブ・ニックス投手の投球分析」を紹介します。

Baseball SavantFanGraphsのデータを使用します。

2023年新外国人の記事一覧

1. 基本情報

近年は右肘の不調

所属球団サンディエゴ・パドレス (2018)
ポジション先発
投打右投右打
生年月日1996年1月9日(27歳)
身長193 cm
体重99.8 kg
基本情報

3Aでも3試合のみ

ジェイコブ・ニックス投手の年度別成績
ジェイコブ・ニックス投手の被打球種類
(MLB2018年)

MLB通算で9試合に登板して防御率7.02被打率.304奪三振率4.5与四死球率3.6です。またフライ率が31%(MLB平均22.5%)と高いフライボーラーです。

3A通算でも3試合のみで防御率0.53被打率.203奪三振率7.9与四死球率0.5でした。

投手としての特徴は「ナチュラルシュート」「スクリューのようなチェンジアップ」「与四死球少ない」「縦に落ちるカーブ」などがあげられます。

やきゅまる
MLBと3Aの経験が少ないね

2. 球種・投球割合

持ち球は4球種

上図は左右別投球割合で、色が球種を表しています。

持ち球はストレートチェンジアップスライダーカーブの4球種です。

右打者にはスライダー左打者にはチェンジアップを多投しています。

やきゅまる
ストレートの割合が多いね

ストレートはカウント球、チェンジアップは決め球

ジェイコブ・ニックス投手のカウント状況別投球割合(MLB2018年)

ストレートはカウント球、チェンジアップは決め球で多く使用しています。

やきゅまる
右打者へのチェンジアップは決め球用

3. コース

左打者にはアウトコースにチェンジアップ、インローにカーブ

ジェイコブ・ニックス投手のベース上の位置
(MLB2018年)

ストレートはコースの偏りが無く真ん中付近に投げ込んでます。

左打者にはアウトコースにチェンジアップ、インローにカーブの投球が多くて空振りも奪っています。

やきゅまる
ストレートを意図的に高めに投げた方が良さそう

高め〇

ジェイコブ・ニックス投手のコース別成績(MLB2018年)

明らかに高めの成績が良いです。

やきゅまる
やっぱり高めにストレートを投げた方が良いね

4. 各成績

左打者が苦手

ジェイコブ・ニックス投手の対左右成績
(MLB2018年)

左打者の被打率.320被OPS.978左打者が苦手です。

やきゅまる
奪三振率は左打者の方が高いね

対ピンチに弱い

ジェイコブ・ニックス投手の得点圏成績
(MLB2018年)

得点圏の被打率.368被OPS1.233と高く、対ピンチに弱いです。

チェンジアップカーブは優秀

ジェイコブ・ニックス投手の球種別成績
(MLB2018年)

左はOPSのグラフ、右は空振りなどのグラフ、下は球種別の成績です。

決め球のチェンジアップは被打率と被OPSは高いですが、空振率12%と高いです。

カーブは被打率と被OPSは低く、ゾーン内率49%とカーブにしては高いです。

全体ではゾーン内率53%、ストライク率64%とまずまずの成績です。

やきゅまる
カーブはもっと投げても良いかもね

5. リリースポイント

リリーフは体から遠い

ジェイコブ・ニックス投手のリリースポイント
(MLB2018年)

左図は捕手目線、右図は三塁側から投手を見たリリースポイントです。△はMLB平均のリリースポイントです。

基本的にはMLB平均よりリリースは約20cm体に遠く高いです。

エクステンションは平均的で球持ちは普通です。

6. 球速と回転数

平均球速149.6km/h、最高153.9km/h

ジェイコブ・ニックス投手の球速・回転数
(MLB2018年)

上図は球種別の平均球速と回転数のグラフで、△はMLB平均を表しています。

ストレート平均球速は149.6km/hとMLB平均以下ですが、NPBの先発としては速い方です。回転数は2231回転と平均くらいです。

チェンジアップは普通回転数が少ないですが、2340回転とかなり回転数が多い特殊球です。

スライダーは球速が遅く回転数は平均的です。

カーブは球速が遅く回転数がかなり少ないです。

やきゅまる
オリックスはスクリューのようなチェンジアップが好きなのかな?

7. 変化量

回転軸

ジェイコブ・ニックス投手の回転軸
(MLB2018年)

上図は捕手側から見た球種別の回転軸の向きで、点線はMLB平均を表しています。数値は回転数で、中心から離れるほど回転数が多くなります。

ナチュラルシュート

ジェイコブ・ニックス投手の変化量
(MLB2018年)

上図は捕手側から見た球種別の変化量で、△はMLB平均を表しています。

ストレートは横変化量が多いナチュラルシュートです。

チェンジアップはMLB平均より変化量が大きいです。

カーブスライダーはMLB平均より縦変化量が大きいです。

やきゅまる
全球種の変化量が良い感じだね

まとめ

ジェイコブ・ニックス投手の総評
まとめ

①MLB9先発、3A3先発のみ
②MLB通算で防御率7.02、被打率.304、奪三振率4.5、与四死球率3.6
③近年は右肘の不調
④フライボーラー
 ⇒フライ率31%(MLB平均22.5%)
⑤持ち球は4球種
⑥右にスライダー、左にチェンジアップを多投
⑦ストレートはカウント球、チェンジアップは決め球
⑧左打者にはアウトコースにチェンジアップ、インローにカーブ
⑨高め〇
⑩左打者が苦手(対左.320)
⑪対ピンチに弱い(得点圏.368)
⑫チェンジアップとカーブは優秀
⑬リリーフは体から遠くて高い
⑭平均球速149.6km/h、最高153.9km/h
⑮ストレートはナチュラルシュート
⑯チェンジアップは回転数が多く変化量が大きいスクリュー
⑰カーブは縦変化量大きい

ニックス投手は「回転数が多いスクリューのようなチェンジアップ」と「縦に落ちるカーブ」が武器な先発投手です。

MLB通算で9試合に登板して防御率7.02被打率.304奪三振率4.5与四死球率3.6です。またフライ率が31%(MLB平均22.5%)と高いフライボーラーです。

3A通算でも3試合のみで防御率0.53被打率.203奪三振率7.9与四死球率0.5でした。

投手としての特徴は「ナチュラルシュート」「スクリューのようなチェンジアップ」「与四死球少ない」「縦に落ちるカーブ」などがあげられます。