第320回 【オリックス】2023年新外国人ジェイコブ・ニックス投手の投球分析
2022年12月22日、オリックスが新外国人選手としてパドレス傘下のジェイコブ・ニックス投手(27)と大筋合意していることが報道されました。
ニックス投手は「回転数が多いスクリューのようなチェンジアップ」と「縦に落ちるカーブ」が武器な先発投手です。
今回はそんな「【オリックス】2023年新外国人ジェイコブ・ニックス投手の投球分析」を紹介します。
Baseball SavantとFanGraphsのデータを使用します。
1. 基本情報
近年は右肘の不調
所属球団 | サンディエゴ・パドレス (2018) |
ポジション | 先発 |
投打 | 右投右打 |
生年月日 | 1996年1月9日(27歳) |
身長 | 193 cm |
体重 | 99.8 kg |
3Aでも3試合のみ
MLB通算で9試合に登板して防御率7.02、被打率.304、奪三振率4.5、与四死球率3.6です。またフライ率が31%(MLB平均22.5%)と高いフライボーラーです。
3A通算でも3試合のみで防御率0.53、被打率.203、奪三振率7.9、与四死球率0.5でした。
投手としての特徴は「ナチュラルシュート」「スクリューのようなチェンジアップ」「与四死球少ない」「縦に落ちるカーブ」などがあげられます。
2. 球種・投球割合
持ち球は4球種
上図は左右別投球割合で、色が球種を表しています。
持ち球はストレート、チェンジアップ、スライダー、カーブの4球種です。
右打者にはスライダー、左打者にはチェンジアップを多投しています。
ストレートはカウント球、チェンジアップは決め球
ストレートはカウント球、チェンジアップは決め球で多く使用しています。
3. コース
左打者にはアウトコースにチェンジアップ、インローにカーブ
ストレートはコースの偏りが無く真ん中付近に投げ込んでます。
左打者にはアウトコースにチェンジアップ、インローにカーブの投球が多くて空振りも奪っています。
高め〇
明らかに高めの成績が良いです。
4. 各成績
左打者が苦手
左打者の被打率.320、被OPS.978と左打者が苦手です。
対ピンチに弱い
得点圏の被打率.368、被OPS1.233と高く、対ピンチに弱いです。
チェンジアップとカーブは優秀
左はOPSのグラフ、右は空振りなどのグラフ、下は球種別の成績です。
決め球のチェンジアップは被打率と被OPSは高いですが、空振率12%と高いです。
カーブは被打率と被OPSは低く、ゾーン内率49%とカーブにしては高いです。
全体ではゾーン内率53%、ストライク率64%とまずまずの成績です。
5. リリースポイント
リリーフは体から遠い
左図は捕手目線、右図は三塁側から投手を見たリリースポイントです。△はMLB平均のリリースポイントです。
基本的にはMLB平均よりリリースは約20cm体に遠く高いです。
エクステンションは平均的で球持ちは普通です。
6. 球速と回転数
平均球速149.6km/h、最高153.9km/h
上図は球種別の平均球速と回転数のグラフで、△はMLB平均を表しています。
ストレートの平均球速は149.6km/hとMLB平均以下ですが、NPBの先発としては速い方です。回転数は2231回転と平均くらいです。
チェンジアップは普通回転数が少ないですが、2340回転とかなり回転数が多い特殊球です。
スライダーは球速が遅く回転数は平均的です。
カーブは球速が遅く回転数がかなり少ないです。
7. 変化量
回転軸
上図は捕手側から見た球種別の回転軸の向きで、点線はMLB平均を表しています。数値は回転数で、中心から離れるほど回転数が多くなります。
ナチュラルシュート
上図は捕手側から見た球種別の変化量で、△はMLB平均を表しています。
ストレートは横変化量が多いナチュラルシュートです。
チェンジアップはMLB平均より変化量が大きいです。
カーブとスライダーはMLB平均より縦変化量が大きいです。
まとめ
①MLB9先発、3A3先発のみ
②MLB通算で防御率7.02、被打率.304、奪三振率4.5、与四死球率3.6
③近年は右肘の不調
④フライボーラー
⇒フライ率31%(MLB平均22.5%)
⑤持ち球は4球種
⑥右にスライダー、左にチェンジアップを多投
⑦ストレートはカウント球、チェンジアップは決め球
⑧左打者にはアウトコースにチェンジアップ、インローにカーブ
⑨高め〇
⑩左打者が苦手(対左.320)
⑪対ピンチに弱い(得点圏.368)
⑫チェンジアップとカーブは優秀
⑬リリーフは体から遠くて高い
⑭平均球速149.6km/h、最高153.9km/h
⑮ストレートはナチュラルシュート
⑯チェンジアップは回転数が多く変化量が大きいスクリュー
⑰カーブは縦変化量大きい
ニックス投手は「回転数が多いスクリューのようなチェンジアップ」と「縦に落ちるカーブ」が武器な先発投手です。
MLB通算で9試合に登板して防御率7.02、被打率.304、奪三振率4.5、与四死球率3.6です。またフライ率が31%(MLB平均22.5%)と高いフライボーラーです。
3A通算でも3試合のみで防御率0.53、被打率.203、奪三振率7.9、与四死球率0.5でした。
投手としての特徴は「ナチュラルシュート」「スクリューのようなチェンジアップ」「与四死球少ない」「縦に落ちるカーブ」などがあげられます。