第401回 【大谷翔平】右手痙攣で4回降板も40号(2023年8月3日マリナーズ戦)
2023年8月3日(日本時間8月4日)、大谷翔平投手(29)が本拠地エンゼルスタジアムでのマリナーズ戦に「2番・投手兼DH」で投打同時出場。
4回を投げて59球、被安打3、四死球1、奪三振4、失点0と好投。
ストレートの平均球速が158.8km/hと今季最速と調子は良さそうでしたが、「右手と右手中指の痙攣」で降板しました。
打者としては降板後の8回の第4打席で6試合ぶりとなる本塁打を放ち、両リーグ最速で40号に到達しました。
これで今季の被打率.186はMLB1位、奪三振率11.6はア・リーグ2位です(8月3日時点)。
今回はそんな「大谷翔平投手の2023年8月3日投球分析」を紹介します。
データはBaseball SavantとFanGraphsのデータを使用します。
1. 球種・投球割合
スライダーを39%と多投
今回はストレート、ツーシーム、スプリーム、フォーク、カットボール、縦スラ、スライダー、カーブの8球種を投球しました。
前回とは異なりスライダーを39%と多投しました。
あまりに多彩すぎてトラックマンデータも球種を誤判定していたので、握りで球種を再判別しました。
大谷翔平投手本人が語ってるようにMLB公式の球種判別は間違っていることがあるみたいです。
※当ブログでは握りが違う「第二のスプリットをスプリーム」と呼称しています。詳細は過去記事を参照して下さい。
右打者にスライダーを多投
上は2022年、下は今回の左右投球割合です。
右打者にはスライダーを67%、左打者にはストレートを46%と多投しました。
3回以降は球数15球以下
1,2回は球数が少し増えてしまいましたが、3回以降は15球以下とリズムが出てきたところでの降板でした。
2. コース
右打者のアウトコース、左打者のインローを攻めた
右打者のアウトコース、左打者にはインローを多投していました。
3. 対左右成績
左打者に打たれた
上図は今回、2023年、MLB右投手平均の左右別被OPSです。
3安打とも左打者に打たれました。
4. 球種成績
空振りは11個
全体でストライク率69%(MLB平均64.2%) 、ゾーン内率58%(MLB平均48.5%)と、ゾーン内で勝負出来ていました。
4回までで空振りは11球と途中降板したことを考えると多かったです。(2023年平均が14球)
5. リリースポイント
リリース位置が低い
左図は捕手目線、右図は三塁側から投手を見たリリースポイントです。◇は2022年平均、△はMLB平均です。
2022年よりリリース位置が低いです。
またエクステンションが長く、球持ちが良かったです。
今回はスライダーを上から投げず、横からのみでした。
6. 球速と回転数
平均球速158.8km/h、最高161.3km/h
上図は球種別の平均球速と回転数のグラフで、◇は2022年平均、△はMLB平均を表しています。
ストレートは平均球速158.8km/h、最高球速161.3km/h、回転数は2273回転でした。
平均球速は今季最速
上は登板日別の平均球速と回転数の図です。
ストレートの平均球速158.8km/hと今季最速でした。
回転数2273回転は今季平均並です。
4回は球速低下?
上は球種ごとの回別平均球速です。
ストレートは4回に投げていないのでスライダーの球速で比較すると、右手を痙攣していた4回は8km/h以上低下しています。
7. 回転軸と変化量
回転軸
上図は捕手側から見た球種別の回転軸の向きで、◇は2022年、点線はMLB平均を表しています。数値は回転数で、中心から離れるほど回転数が多くなります。
縦スラは縦変化量大きい
上図は捕手側から見た球種別の変化量で、◇は2022年、△はMLB平均を表しています。
ストレートが変化量が不安定です。
縦スラは縦変化量が大きかったです。
スライダーは安定して曲がりが多きかったです。
まとめ
①被打率.186はMLB1位
②8球種(握りで球種を判定)
③公式サイトでも縦スラが別球種として判別
④スライダーを39%と多投
⑤右打者にはスライダーを67%、左打者にはストレートを46%と多投
⑥3回以降は15球以下
⑦右打者にアウトコース、左打者にインロー多投
⑧ゾーン内率とストライク率が非常に高い
⑨空振り11個(2023年平均14個)
⑩リリース位置が低い
⑪4回は球速低下?
⑫ストレートは変化量不安定
⑬縦スラは縦変化量が大きい
⑭スライダーは変化量安定
【ストレート】
平均球速158.8km/h
最高161.3km/h
平均2273回転
ホップ量35cm、シュート成分12cm
今回は「大谷翔平投手の2023年8月3日投球分析」を紹介しました。
4回を投げて59球、被安打3、四死球1、奪三振4、失点0と好投。
ストレートの平均球速が158.8km/hと今季最速と調子は良さそうでしたが、「右手と右手中指の痙攣」で降板しました。
打者としては降板後の8回の第4打席で6試合ぶりとなる本塁打を放ち、両リーグ最速で40号に到達しました。
次回登板予定はジャイアンツ戦です。
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