第479回【広島】2025年新外国人ジョハン・ドミンゲス投手の投球成績
2024年11月25日、広島カープが前ホワイトソックス傘下のジョハン・ドミンゲス(Johan Dominguez)投手(28)を獲得したと発表しました。
ドミンゲス投手はダイナミックなオーバースローからのカットライズなストレートが特徴的な長身右腕です。
今回はそんな「【広島】2025年新外国人ジョハン・ドミンゲス投手の投球分析」を紹介します。
Baseball SavantとFanGraphsのデータを使用します。
1. 基本情報・年度別成績
MLB未経験な長身投手
所属球団 | ホワイトソックス傘下3A(2021 – 2024) |
ポジション | 先発、リリーフ |
投打 | 右投右打 |
生年月日 | 1996年1月18日(28歳) |
身長 | 193 cm |
体重 | 86 kg |
MLBには未昇格
MLBには未昇格の投手です。
今季3Aでは27試合に登板して防御率4.43、被打率.256、奪三振率7.3、与四死球率4.8でした。
投手としての特徴は「オーバースロー」「フライが多い」「リリースが高い」「カットライズ」などがあげられます。
フライが多い
MLB通算のフライ率29%(MLB平均23%)フライが多いフライボーラーです。
チェンジアップはゴロ率51%と高いですが、ストレートはゴロ率35%とかなり低いです。
2. 球種・投球割合
5球種
持ち球はストレート、ツーシーム、チェンジアップ、スライダー、カーブの5球種です。
2024年はストレート、カーブが減少して、ツーシーム、スライダーが増加しました。
右にツーシームとスライダー、左にチェンジアップを多投
上図は左右別投球割合で、色が球種を表しています。
右打者にツーシームとスライダー、左打者にチェンジアップの比率が高いです。
3. カウント別
チェンジアップは決め球、ツーシームはカウント球
チェンジアップは左右関係なく決め球で比率が高いです。
一方、ツーシームはカウント球で比率が高いです。
4. コース
各球種の空振りを奪えるコースが決まってる
上図は球種ごとのベース上の位置です。
各球種の空振りを奪えるコースが決まってます。
ストレート、ツーシームは高め
スライダーは右アウトロー(左インロー)
チェンジアップ、カーブは左の低めへの投球が多くて空振りも奪っています。
右アウトロー○
右打者のアウトローの成績が良いです。一方、左打者にはインローの成績が良いです。
5. 対左右成績
対左打者○
対左打者の被打率.236と対左打者に強いです。
6. 得点圏成績
対ピンチ○
得点圏の被打率.232と対ピンチ強いです。
7. 球種別成績
チェンジアップ、カーブの成績が良い
左はOPSのグラフ、右は空振りなどのグラフ、下は球種別の成績です。
ストレートは左打者には被打率.247と有効ですが、右打者に被打率.433とかなり打たれてます。
ツーシームは被打率が悪くなくストライク率が高いです。
チェンジアップは左打者への被OPS.660、空振率16%と優秀です。
スライダーは右打者への被OPS.743、空振率16%と悪くありません。
カーブは被打率.190と左右関係なく優秀です。
全体でストライク率61%(MLB平均64.2%) 、ゾーン内率46%(MLB平均48.5%)と、少しストライク率が低いです。
8. リリースポイント
オーバースロー
左図は捕手目線、右図は三塁側から投手を見たリリースポイントです。△はMLB平均のリリースポイントです。
MLB平均よりリリースは約20cmも高く、約40cmも体に近いです。MLB未経験なのでアーム角度は分かりませんが、映像からかなりのオーバースローです。
エクステンションはMLB平均くらいです。
9. 球速と回転数
平均球速150.4km/h、最高155.8km/h
上図は球種別の平均球速と回転数のグラフで、◇は2024年平均、△はMLB平均を表しています。
ストレートは平均球速150.4km/hとNPB先発トップレベルの平均球速です。また球速は145km/h以上で安定しています。
回転数は2119回転と少ないです。
チェンジアップはMLB平均より250回転も回転数が少ないタイプです
球速と回転数が上昇傾向
2023年と比べると2024年は2.2km/h上昇しています。
回転数も118回転数上昇しています。
10. 変化量
回転軸
上図は捕手側から見た球種別の回転軸の向きで、点線はMLB平均を表しています。数値は回転数で、中心から離れるほど回転数が多くなります。
カットライズ、変化球は横変化量小
上図は捕手側から見た球種別の変化量で、◇は2024年平均、△はMLB平均を表しています。
ストレートはポップ成分が多くシュート成分が少ないカットライズな変化量です。
ツーシーム、チェンジアップはホップ成分が多く縦変化量が小さいです。
スライダーは変化量が小さいです。
カーブは横変化量が小さいです。
まとめ
【基本情報】
①MLB未経験なオーバースロー
②今季3Aで
防御率4.43
被打率.256
奪三振率7.3
与四死球率4.8
③フライ率が高い
④ストレートのゴロ率が低い
【球種割合・カウント】
①5球種
②2024年はツーシーム、スライダーが増加
⇒右打者の被打率が改善
③右にツーシームとスライダー、左にチェンジアップの投球多い
④チェンジアップは決め球
⑤ツーシームはカウント球
【コース】
①次のコースの投球と空振り多い
ストレート、ツーシームは高め
スライダーは右アウトロー
チェンジアップ、カーブは低め
②右打者のアウトロー○
③左打者のインロー○
【対左右・得点圏成績】
①対左打者○
⇒対左被打率.236、被OPS.722
②対ピンチ○
⇒得点圏被打率.232、被OPS.734
【球種別成績】
①ストレートは右打者×
⇒右被打率.433
②ツーシームはストライク率高い
③チェンジアップは左打者○
④スライダーは右打者○
⑤カーブは優秀
⇒被打率.190
【リリース】
①リリースは平均より約20cm高く、体に40cm近い
⇒オーバースロー
②球持ち(エクステンション)は平均的
【球速・回転数】
①平均球速150.4km/h
⇒NPB先発トップレベル
②回転数2119と少ない
③チェンジアップは回転数少ない
④2024年は球速2.2km/h、118回転上昇
【変化量】
①ストレートはカットライズ
②ツーシーム、チェンジアップは縦変化量小
③スライダーは変化量小
④カーブは横変化量小
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