第107回 【大谷翔平】159km/hのカットボール?(2021年6月11日投球分析)
現地時間6月11日(日本時間12日)にインターリーグのダイヤモンドバックス戦に出場、ナ・リーグ主催ゲームのためDH制は無く、投打のリアル二刀流の「2番投手」で先発しました。
投手としては5回5安打2失点(自責1)、8奪三振3四死球と好投しましたが、勝敗は付きませんでした。
打者としては2本の二塁打で4打数2安打1打点でした。6回裏は右翼の守備に回り、7回表の第4打席を迎えると7回裏の守備からベンチに下がりました。
3回に自打球が当たり、痛みに耐えながらプレーを続行して好投しましたが、5回に2つの「ボーク」と振り逃げなどで2失点したのが勿体なかったです。個人的には2つともボークじゃないと思いますが、ルールが曖昧で審判の裁量が大きいので仕方ないとは思いました。
今回はそんな「大谷翔平投手の2021年6月11日投球分析」を紹介します。データはBaseball Savantを使用します。過去の投球分析については下記を参照して下さい。
1. ストレートを多投
日別投球割合(2021年)
上図は2021年の登板日別の投球割合です。
前回は45%だったストレートを76%と多投しました。これは今季1番の比率です。
スラッター、カーブは一球も投げませんでした。
左右別投球割合
上図は6月11日の左右別の投球割合です。
左右問わず、ストレートがほとんどでした。スライダーは右打者のみでした。
回別投球割合
上図は6月11日の回別投球割合です。
初回にフォークを多投してからは、ほぼストレートです。
スライダーは4回にしか投げていませんでした。
2. 球速は回復傾向
球速・回転数(前回までとの比較)
6月11日は平均153.3km/h、最高球速160.3km/hでした。久しぶりに160km/hを超えるボールもあり、全体的に球威がありました。
回別平均球速
5回まではストレートの球速が安定しています。球数も多くないので、もう1イニング投げても良かったとは思います。
前回6回に疲労で球速が落ちたことが考慮されたのかも知れません。
日別平均球速
上図は2021年の登板日別の平均球速です。
球速が急激に減速した5月19日からストレートの球速は徐々に回復傾向です。
3. 今回も左打者に打たれた
対左右成績
左が前回まで、右が6月11日の対左右の成績です。
今回も左打者を並べられて、左打者に打たれました。ただ、6月11日はヒットは得点に繋がってないので、あまり気にする必要はないかも知れません。
球種成績
上が前回まで、下が6月11日の球種別被打率です。
やはりストレートの投球割合が多いので、左打者に打たれました。また珍しくフォークも打たれました。
4. ストレートがほぼカットボール
上図は「前回までの2021年の平均」、「今回(6月11日)」の変化量です。
前回はシュートライズするストレートが多かったですが、今回はスライドしながら沈むカットボールのような変化量が多いです。
あまりの変化量のため、「159km/hのカットボール」として記事やツイートになっていました。
意図的にシュートライズとこのカットボールのようなストレートを投げられるようになると、大谷投手の球威ならストレートだけで抑えられそうです。
5. フォークのリリースがオーバー気味
上図は「前回までの2021年の平均」、「今回(6月11日)」のリリースポイントです。
ストレート、スライダーはいつもと同じくらいのリリースポイントでしたが、フォークのリリースポイントがオーバー気味でした。
6. まとめ
①ストレートを76%と多投
②スラッター、カーブは封印
③平均球速153.3km/h、最高球速160.3km/h
④5回まで球速は安定
⑤ストレートがカットボールのような変化量
今回は「大谷翔平投手の2021年6月11日投球分析」を紹介しました。
今回(6月11日)はストレートを76%と多投し、スラッター、カーブは封印していました。
ストレートの投球割合が多かったので、次回登板は変化球主体の投球になりそうです。
球速が回復傾向で、制球力も安定しているので、次回登板の17日(日本時間18日)の本拠地・タイガース戦が楽しみです。
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