第37回 【楽天】新外国人アダム・コンリー投手の投球分析
今回は「【楽天】新外国人アダム・コンリー投手」ということで、メジャーに在籍していた2015~2019年Baseball Savantのトラックマンデータを紹介したいと思います。
1. 基本成績
所属球団 | マイアミ・マーリンズ (2015-2019) 東北楽天ゴールデンイーグルス (2021) |
ポジション | リリーフ・先発 |
投打 | 左投左打 |
生年月日 | 1990/5/24 |
身長 | 190.5 cm |
体重 | 90.7 kg |
2015~2017年は先発で、2018~2019年にリリーフへ転向した。
イニングに対して奪三振と四死球は少し多い。
左投手だが、右打者の被打率が少し低い。
この傾向は先発していた時の方が顕著で、リリーフになってからは左打者の方が抑えている。
2. 投球割合
コンリー投手がメジャーで投げていたのは、ストレート、チェンジアップ、スライダー、カーブの4球種である。
カーブは投球割合が少ないので、ストレート、チェンジアップ、スライダーの実質3球種である。
右打者にはチェンジアップ、左打者にはスライダーの割合が高くなる。
メジャー平均と比べると、ストレートの割合が高い。
第15回 【メジャー(MLB)左投手】球種・投球割合
3. コース別投球割合
右打者、左打者ともにメジャー平均と同じくらいの投球割合。
第16回 【メジャー(MLB)左投手】コース別投球割合
ストレート
チェンジアップ
スライダー
カーブ
4. カウント別投球割合
それほど明らかにカウント球と決め球がはっきり分かれてはいない。
スライダーはカウント球よりも決め球に使う割合が少し高い。
右打者にもスライダーを決め球にしているのはメジャー平均とは異なる。
第17回 【メジャー(MLB)左投手】カウント別投球割合
5. 被打率・被本塁打
球種別被打率
ストレート、チェンジアップは右打者の方が被打率が低い。
スライダーは左右関係なく、被打率がかなり低い。
コース別被打率
右打者は高めの被打率が低い。
左打者はアウトコースとインコース真ん中の被打率が低い。
第18回 【メジャー(MLB)左投手】コース別被打率・被本塁打
コース別被本塁打
左打者にはアウトコースが1球も被弾していない。
6. 球速・回転数
ストレートは球速も回転数もメジャー平均くらい。
ただし、ストレートはリリーフに転向してから平均153.4km/hとかなり速くなった。
スライダー、カーブはメジャー平均よりも球速が速いが、回転数は少ない。
チェンジアップは回転数が多い。
第19回 【メジャー(MLB)左投手】平均球速・平均回転数
7. 平均リリースポイント・変化量
平均リリースポイント
リリースポイントは頭からかなり遠く、サイド気味。
エクステンションは球離れが早い。
第20回 【メジャー(MLB)左投手】平均リリースポイント・平均変化量
変化量
横振りの投球フォームのため、ストレート、チェンジアップはかなりシュートする。
スライダーは曲がりが小さいカットボールのような高速スライダー。
第20回 【メジャー(MLB)左投手】平均リリースポイント・平均変化量
8. 軌道
ストレート、チェンジアップ、スライダーの軌道がピッチトンネルまで似ている。
第21回 【メジャー(MLB)左投手】軌道シミュレーション
9. 打球の種類比率・リスク管理
スライダーの空振り率がかなり高い。
チェンジアップも空振り率が少し高い。
第22回 【メジャー(MLB)左投手】打球種類比率・リスク管理
10. まとめ
利き手 | 左 |
年齢 | 30 |
球種の豊富さ | [usr 2 size=20 img="06.png"] |
制球力 | [usr 2 size=20 img="06.png"] |
球速 | [usr 4 size=20 img="06.png"] |
奪三振能力 | [usr 4 size=20 img="06.png"] |
ピッチトンネル | [usr 4 size=20 img="06.png"] |
ストレート | [usr 3 size=20] |
チェンジアップ | [usr 3 size=20] |
スライダー | [usr 4.5 size=20] |
カーブ | [usr 1 size=20] |
対左打者 | [usr 3 size=20 img="05.png"] |
リリース近さ | [usr 1 size=20 img="05.png"] |
リリース高さ | [usr 3 size=20 img="05.png"] |
球持ち | [usr 2 size=20 img="05.png"] |
最速159キロを誇るストレートと高速スライダーが武器のクロスファイヤー投手。
日本球界では速球派のサウスポーは珍しく、タイミングを外すチェンジアップもあるので、リリーフとして活躍する可能性は高いです。
ただ、不安なのは制球力です。四死球で崩れる場面も多く見られたので、そこが最大の課題です。
あとは、もう少しスライダーとチェンジアップの投球割合を多くした方が、よりストレートが活きてくると思います。
・2018~2019年にリリーフへ転向
・奪三振と四死球は少し多い
・リリーフになってからは左打者の方が抑えている
・ストレート、チェンジアップ、スライダーの実質3球種
・右打者にはチェンジアップ、左打者にはスライダーの割合が高くなる
・カウント球と決め球の球種がはっきり分かれてはいない
・ストレート、チェンジアップは右打者の方が被打率が低い
・スライダーは左右関係なく、被打率がかなり低い
・右打者は高めの被打率が低い
・左打者はアウトコースとインコース真ん中の被打率が低い
・左打者にはアウトコースが1球も被弾していない
・ストレートは球速も回転数もメジャー平均くらい
・リリーフに転向してからは平均153.4km/h
・スライダー、カーブは球速が速い
・リリースポイントは頭からかなり遠く、クロスファイヤー
・エクステンションは球離れが早い
・ストレートはシュート成分が少なく、カットボール気味
・ストレート、チェンジアップはかなりシュート
・スライダーは曲がりが小さいカットボールのような高速スライダー
・ストレート、チェンジアップ、スライダーの軌道がピッチトンネルまで似ている