第55回 【大谷翔平】2018, 2020年の投球分析
10. 打球の種類比率・リスク管理(2018)
2020年はデータが少ないので、ここでは2018年のデータのみです。
打球の種類比率(2018)
大谷投手は少しフライの比率が高いですが、ほぼメジャー平均と同じくらいです。
リスク管理(2018)
大谷投手は、メジャー平均よりも空振り三振を奪うのが多いことが分かります。
変化球は全て空振り三振率が高いですが、特にフォークは51%で被打率も低いので異次元の魔球です。
11. 空振り率・見逃し率(2018)
2020年はデータが少ないので、ここでは2018年のデータのみです。
160km/h以上を投げるのに、ストレートの空振率がそれほど高くない。
これはホップ成分がメジャー平均並だからかもしれません。
スライダーが、左打者の見逃しでストライクが取れていません。
もう少し、外から入ってくるスライダーを多投しても良いかもしれません。
12. まとめ
①平均球速、最高球速の速さ
②各変化球の変化量、被打率のレベルの高さ
③ストレートとフォークの軌道が似ている
今回は「大谷翔平投手の投球分析(2018, 2020年)」を紹介しました。大谷投手と言えば、そのストレートの速さが話題になりがちですが、データ上では変化球の方が化け物でした。
また、2020年が本調子から遠かったことも分かりました。
2021年は大きく投球フォームも変わったので、どれだけ2018年から進化しているのか?
スプリングトレーニングの投球データが公開されるのが楽しみです。
以下は球界トップクラスの大谷投手について、最後に無理矢理改善点を4つ上げてみました。
①高めのストレートの割合を増やす
②ストレートのホップ成分を上げる
③チェンジアップの習得
④スラッターの習得
①高めのストレートの割合を増やす
低めのストレートが狙われているので、高めに投げて狙いを外せます。また高めのストレートは低めのカーブとの相性が良く、低めのカーブを意識することでストレートで空振りが奪えると思います。
②ストレートのホップ成分を上げる
通常ホップ成分を上げるのは簡単なことではありません。ただ大谷投手の場合、速い球速を投げる割には平均回転数が少ないので、もしかしたら平均回転数を上げれる余地があるのではないかと思います。
③チェンジアップの習得
ストレートの被打率が高いので、ストレートに似た変化球があると強力です。また、左打者に対してアウトコースのチェンジアップは有効なので、左打者のストレートの割合が増えているのを改善出来ると思います。
④スラッターの習得
スライダーの曲がりが大きいので、調子が悪い時にカウントを取るのに苦労していることが多いです。そのため、ダルビッシュ投手のように曲がりが中間のスラッターでカウントを取れれば、ピッチングが楽になりそうです。また、スラッターとスライダーは軌道が似ているので、偽装が出来て、さらにスライダーで空振りが奪えると思います。
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