第69回 【菊池雄星】2019, 2020年の投球分析
今年のスプリングトレーニングでは好調の菊池雄星投手。今回は「菊池雄星投手の投球分析(2019, 2020年)」ということで、Baseball Savantのトラックマンデータを紹介したいと思います。
2021年のスプリングトレーニングについてはデータが無かったので、公開されれば記事にするつもりです。
1. 基本成績
2019年と比較すると「奪三振率」と「右打者の被打率」の成績がかなり向上しています。
2020年は被打率の割に防御率が悪いので、「四死球を抑えられるようになること」「ピンチで抑えること」が課題です。
2. 投球割合
2019年はストレート、チェンジアップ、スライダー、カーブの4球種を投げていました。
2020年はカーブを投げるのを止め、カットボールを40%と最も多投するようになりました。
上記の記事には「“伝家の宝刀”スライダーも昨季比で10キロ近く球速が上がり、“カットボール”と記録されるようになった。それまでのカーブがスライダー扱い」とありました。この可能性もありますが、二つの球種が10km/h以上も速くなって、変化量が大きく変わったという話はちょっと疑問です。
そのため、今回は「カーブを投げるのを止め、カットボールを投げ始めた」として、話を進めます。
右打者にチェンジアップを投げますが、左打者には投げずに3球種のみでした。
チェンジアップ以外の球種は左右でそれほど比率が変わりません。
3. コース別投球割合
2019年と比べると右打者はそれほど大きく変わっていません。
左打者はインローのボール球、真ん中の投球割合が多くなっています。
4. カウント別投球割合
2019年は右打者にはスライダーを決め球にする割合が高く、2020年は左打者にはカットボールをカウント球にする割合が高かったです。
しかし、他の投手に比べるとカウント球と決め球の区別があまりありません。