第74回 【大谷翔平】投打でメジャー最速(2021年4月4日投球分析)
スライダーの変化量は脅威の60cm以上
回転数が上昇しましたが、ストレートのホップ成分は2018年とそれほど変わっていません。少しシュート成分が減り、ややカット気味になっています。
驚異なのはスライダーのスライド成分(横変化)です。2018年の38.3cmでもメジャートップレベルでしたが、今日のスライダーのスライド成分(横変化)は平均50.1cmでした。また2球は60cm以上の変化量と凄すぎます。
空振り率は2018年と同程度
スプリットの空振り率は29%で、2018年並みに非常に高い値になっています。ストレートとスライダーも2018年と同程度の値です。回転数が増してる割には空振り率は上昇していませんでした。
球持ちが良くなった
明らかに2018年から投球フォームが変わりましたが、意外にも捕手目線のリリースポイントはそれほど変わっていません。しかし、エクステンションは明らかに長くなり(球持ちが良くなり)、より打者側でリリースすることでキレが増したと思います。
制球は本当に悪かった?
5回で5四球と考えると制球が悪いという数字ですが、2018年の全体のストライク率は50%なので、今日の48%は決して悪い数字ではありません。ただし、ベース上の位置を見れば一目瞭然ですが、ボール球は明らかなボール球が多く、際どいボールが少ないです。このことから制球はまだまだ課題と言えそうです。
SNSで「審判が酷い」「いまのスライダーはストライクだろ」などのコメントをよく見かけたり、現地の観客もブーイングをしていましたので、トラックマンで「ストライク」なのに審判が「ボール」とコールしたボールを調べました。結果はトラックマンで「ストライク」なのに4球が「ボール」とコールされ、その内3球はスライダーでした。ちなみに逆は1球なので色々言いたくなる気持ちは分からなくはないです。
まとめ
・球速、打球速度はメジャー最速
・回転数が300以上増加
・スライダーの変化量が増加
・球持ちが良くなった
今回は大谷翔平選手の2021年4月4日の投球分析を紹介しました。
2018年から多くの点で進化しており、まだまだ伸びしろもあります。今後も圧倒的な数字を残しそうですが、抜け球が減ればもっと進化しそうです。
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