第212回 【菊池雄星】リリース位置が激変(2022年3月22日投球分析・スプリングトレーニング)
2022年3月22日(日本時間23日)、ブルージェイズの菊池雄星投手(30)がヤンキースとのスプリングトレーニングで移籍後初登板。
1回は四球、遊ゴロ、遊ゴロ、空三振で、2回は空三振、空三振、空三振と4者連続で三振を奪うなど、2回0安打4奪三振0失点と好投しました。
この試合で特に気になったのがプレートの足の位置です。昨年は1塁側を踏んでいましたが、スプリングトレーニングでは3塁側を踏んでいました。
今回はそんな「【ブルージェイズ】菊池雄星投手の2022年3月22日投球分析(スプリングトレーニング)」を紹介します。
Baseball SavantとFanGraphsのデータを使用します。
1. 球種・投球割合
昨年同様の4球種
上図は年別の投球割合で、色が球種を表しています。
2022年3月22日投じた球種は昨年同様のストレート、カットボール、チェンジアップ、スライダーの4球種です。
昨年よりもスライダーを多く投じました。
「今年は、スライダーを初球からでも使えるようになれば、緩急を含めてより効果的だと思う。」と本人が試合後に語っているので、今年はスライダーが増えそうです。
右にもスライダーが増加
上図は左右別投球割合で、色が球種を表しています。
右打者へのスライダーが昨年は16%から30%に増加しています。
2. リリースポイント
球種間のリリースが大きく異なる
左図は捕手目線、右図は三塁側から投手を見たリリースポイントです。△はMLB平均のリリースポイントです。
昨年と比べてリリースが約40cmも3塁側に移動しています。
これはプレートの踏む位置の変化が原因です。昨年は1塁側を踏んでいましたが、スプリングトレーニングでは3塁側を踏んでいたためだと考えられます。
3. 球速と回転数
平均球速153.1km/h、2213回転
上図は球種別の平均球速と回転数のグラフで、△はMLB平均を表しています。
ストレートは平均球速が152.3km/hと、左腕先発としてはMLBトップレベルの球速です。
年々平均回転数が増加
春先なので1km/hほど、昨年よりも球速が出てません。
ただ回転数は50回転増加しています。
4. 回転軸と変化量
回転軸
上図は捕手側から見た球種別の回転軸の向きで、△はMLB平均を表しています。数値は回転数で、中心から離れるほど回転数が多くなります。
ストレート、カットボール、チェンジアップの回転軸がバックスピン側に変わっています。
後半戦はシュート回転のストレート増加
上図は捕手側から見た球種別の変化量で、△はMLB平均を表しています。
ストレートは昨年同様にシュート成分が多いです。
カットボールは昨年よりも曲がりが大きく、MLB平均くらい変化しています。
チェンジアップは昨年よりもさらにシュート成分が少なくて落差があり、スプリットに近いです。
5. コース別
低めに制球されてる
右打者には低めとアウトコースに、左打者には低めにボールがしっかり制球されています。
6. 軌道
ストレートとカットボール、スライダーとチェンジアップは軌道が似ている
左は2021年、右は2022年3月22日の軌道です。
「ストレートとカットボール」、「スライダーとチェンジアップ」は軌道が途中まで似ています。
しかし、ストレートに比べて「スライダーとチェンジアップ」はリリース位置が大きく異なるので、軌道も大きく異なります。
昨年に比べるとリリース位置が3塁側に移動したので、打者からは見分けにくくなった印象です。
まとめ
①スライダーを多投
②リリースが約40cmも3塁側に移動(プレートの踏む位置の影響)
③平均球速153.1km/h、2213回転
④回転数は50回転増加
⑤ストレートはシュート成分が多い
⑥カットボールは変化量増加
⑦チェンジアップはシュート成分が少なくて落差が大きい
⑧低めに制球されてる
今回は「【ブルージェイズ】菊池雄星投手の2022年3月22日投球分析(スプリングトレーニング)」を紹介しました。
この試合で特に気になったのがプレートの足の位置です。昨年は1塁側を踏んでいましたが、スプリングトレーニングでは3塁側を踏んでいました。その結果、昨年と比べてリリースが約40cmも3塁側に移動しています。
投球割合としてはスライダーを多投していました。
ストレートは平均球速153.1km/h、2213回転で、昨年よりも回転数は50回転増加していて、シュート成分が多いです。
昨年よりもカットボールは変化量が増加、チェンジアップはシュート成分が少なくて落差が大きくなっていました。
また低めに制球が安定していたので、コンディションは良さそうです。
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