第150回 【広島】2022年新外国人アンダーソン投手の投球分析

2023年2月9日

アンダーソン投手の総評
アンダーソン投手の総評

広島は11月4日、米大リーグ・レンジャーズで今年、プレーしたドリュー・アンダーソン投手(27)との契約合意に達したと発表しました。

報道によると、契約金は30万ドル(約3400万円)、年俸は70万ドル(約8000万円)プラス出来高とのことです。

そのため今回は「【広島】2022年新外国人アンダーソン投手の投球分析」を紹介します。

2017年~2019年はスリークォーターでしたが、2020年からオーバースローにフォームが変わったので、2017年~2019年と2021年を比較しながら紹介します。

使用するデータは2017年~2021年のBaseball Savantfangraphsです。

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基本情報

主にメジャーではリリーフ、3Aでは先発

所属球団フィラデルフィア・フィリーズ (2017 – 2019)
シカゴ・ホワイトソックス (2020)
テキサス・レンジャーズ (2021)
広島東洋カープ (2022 – )
ポジションリリーフ、先発
投打右投右打
生年月日1994年3月22日(27歳)
身長190.5 cm
体重83.9 kg
基本情報

メジャーでは主にリリーフでしたが、2021年は3Aで先発ローテーションを担っていました。

2021年に成績が良化

アンダーソン投手の年度別成績(MLB2017-2021年)
アンダーソン投手の年度別成績(MLB2017-2021年)

2017年からメジャーで投げていますが、ほとんど登板はありませんでした。2021年は最多の9試合に投げて成績が良化。四死球も減っているので自滅する心配は無さそうです。

やきゅまる
やきゅまる
オーバースローにして2021年は成績が良化

2021年は4球種

アンダーソン投手の年別投球割合(MLB2017-2021年)
アンダーソン投手の年別投球割合(MLB2017-2021年)

元々アンダーソン投手の持ち球はストレート、チェンジアップ、スライダー、カーブの4球種でした。2018年と2019年はツーシーム、カットボールも投げていましたが、2020年にオーバースローに変更してからは元の4球種のみの投球です。

2020年にオーバースローに変化

アンダーソン投手のリリースポイント(MLB2017-2019年、2021年)
アンダーソン投手のリリースポイント(MLB2017-2019年、2021年)

2017~2019年はMLB平均よりリリースが身体から離れていて球持ちも早かったです。

オーバースローに変更後の2021年はリリースが身体に近くなって、球持ちが良くなっています

やきゅまる
やきゅまる
オーバースローになって球種間の差も減っているね

投球割合

右にスライダー、左にチェンジアップ

アンダーソン投手の投球割合(MLB2021年)

右打者にはスライダー左打者にはチェンジアップの投球割合が多くなっています。ストレートとカーブはあまり左右差がありません。

やきゅまる
やきゅまる
メジャーのオーソドックスな投球スタイルだね

右の決め球が直球のみ

アンダーソン投手の奪三振球種(MLB2021年)
アンダーソン投手の奪三振球種(MLB2021年)

左打者にはチェンジアップ、カーブでも三振を奪えていますが、右打者にはストレートしか三振を奪えていません。

やきゅまる
やきゅまる
右打者からスライダーで三振を奪えれるようにならないと先発は厳しいかも

左の被打率は低いが、長打を打たれやすい

アンダーソン投手の対左右成績(MLB2017-2019年、2021年)
アンダーソン投手の対左右成績(MLB2017-2019年、2021年)

2017~2019年と2021年を比較すると、オーバースローになって成績が良化しています。2021年は左打者の被打率が低いですが、長打は打たれやすいです。

オーバースローになって4球種が良化

アンダーソン投手の球種別成績(MLB2017-2019年、2021年)
アンダーソン投手の球種別成績(MLB2017-2019年、2021年)

球種別の成績ですが、2021年の方が4球種とも良化しています。

ストレートは右打者変化球は左打者への成績が良いです。

やきゅまる
やきゅまる
明らかにオーバースローにして良くなっているね

球速・回転数はメジャー平均

アンダーソン投手の球速・回転数(MLB2017-2019年、2021年)

上図は2017~2019年と2021年は球速・回転数です。

2021年はオーバースローになって球速・回転数のバラツキが減って安定しています。また変化球の球速が1.5~5km/h速くなっています

ストレートのホップ成分が大きい

アンダーソン投手の変化量(MLB2017-2019年、2021年)
アンダーソン投手の変化量(MLB2017-2019年、2021年)

ストレートはシュート成分が少なく、ホップ成分が多い球質です。

カットボールはハードカッター系の浮き上がるボールでした。

チェンジアップはオーバースローにして変化量がアップしており、メジャー平均よりシュート成分が多く、左打者に有効な球質です。

オーバースローにしてからはスライダー、カーブは横変化量が少なく、縦に落ちるようなボールです。特にカーブはメジャー平均よりかなりドロップ成分が大きいです。

やきゅまる
やきゅまる
ストレートのホップ量が多いのが一番の武器だね

オーバースローで角度が良くなる

アンダーソン投手の軌道(MLB2017-2019年、2021年)
アンダーソン投手の軌道(MLB2017-2019年、2021年)

オーバースローにしてストレート、スライダー、カーブの角度が良くなった印象です。オーバースローになったので、スプリットを覚えられると軌道的に4球種との相性も良さそうです。

やきゅまる
やきゅまる
右打者対策として、スプリットか横スライダーが欲しくなるね

まとめ

アンダーソン投手の総評
まとめ

①メジャーではリリーフ、3Aでは先発
②2020年からオーバースローに変更
③2021年に成績が良化
④2021年は4球種
⑤右の決め球が直球のみ
⑥平均149.0km/h、2131回転
⑦直球のホップ成分が大きい
⑧カーブのドロップ成分が大きい
⑨2021年はチェンジアップの変化量増加、軌道が良化

今回は広島東洋カープへの入団が発表された「2022年新外国人アンダーソン投手の投球分析」を紹介しました。

メジャーではリリーフ、3Aでは先発していましたが、カープでは先発として期待されているみたいです。

オーバースローに変更後は成績が良化していて、ストレートのホップ量が多く、平均球速149.0km/hと日本では速い方なので活躍が期待できます

変化球もメジャー平均以上の3球種がありますが、課題は右打者への決め球がストレートしかないことです。スプリットか、横のスライダーを習得出来れば、その課題も克服出来そうです。

やきゅまる
やきゅまる
2021年は全体的にメジャー平均以上の投手だと思う