第369回 【大谷翔平】自己最多13Kも5回4失点(2023年5月3日投球分析)
2023年5月3日(日本時間5月4日)、大谷翔平投手(28)が敵地ブッシュ・スタジアムでのカージナルス戦に「3番・投手兼DH」で投打同時出場。
5回を投げて97球、被安打5、被本塁打2、四死球2、奪三振13、失点4で勝敗はつきませんでした。
スライダーを狙い打たれたり、ど真ん中の直球系を打たれたりと今季ワーストの被安打5でした。
しかし、ストレートの平均球速157.7km/hは今季最速で球威があって5回15個のアウトのうち13個が奪三振の快投を披露しました。
1901年以降に「5回13奪三振」を記録したのはMLB4人目でした。これでシーズン59奪三振はMLB1位、奪三振率13.6はア・リーグ1位となりました(5月3日時点)。
またベーブ・ルース以来の「500奪三振&100本塁打」を達成しました。
今回はそんな「大谷翔平投手の2023年5月3日投球分析」を紹介します。
データはBaseball SavantとFanGraphsのデータを使用します。
1. 球種・投球割合
ストレートを今季最多37%
今回はストレート、ツーシーム、フォーク、スライダーの4球種を投球しました。
ストレートを今季最多の37%も投球しました。
今回はスプリーム、カットボール、縦スラ、カーブは投げませんでした。
※当ブログでは「第二のスプリットをスプリーム」と呼称しています。詳細は過去記事を参照して下さい。
左打者にもスライダーを多投
上は2022年、下は今回の左右投球割合です。
2022年は右打者に多く投球していたスライダーは左打者にも多投しました。
全ての回で15球以上
奪三振が多いこともあり球数が全ての回で15球以上でした。
2. コース
右打者への制球がイマイチ
右打者へインハイやアウトローに明らかに外れるボールが多かったです。
左打者には高めのストレート、低めのスライダーの空振りが多かったです。
また打たれた直球系はど真ん中でした。
3. 対左右成績
左打者に被弾2
上図は今回、2022年平均、MLB右投手平均の左右別被OPSです。
今回は左打者に被弾2でした。ただ被打率などは右打者の方が高く、四死球も2つとも右打者からでした。
4. 球種成績
4球種とも空振率15%以上
全体でストライク率65%(MLB平均64.2%) 、ゾーン内率53%(MLB平均48.5%)と、ゾーン内率が高かったです。
4球種とも空振率15%以上で、特にストレートの空振率22%と高いです。(2022年は10%)
5. リリースポイント
リリース位置が体に近く低い
左図は捕手目線、右図は三塁側から投手を見たリリースポイントです。◇は2022年平均、△はMLB平均です。
2022年よりリリース位置が低く体に近いです。
6. 球速と回転数
平均球速157.7km/h、最高161.3km/h
上図は球種別の平均球速と回転数のグラフで、◇は2022年平均、△はMLB平均を表しています。
ストレートは平均球速157.7km/h、最高球速161.3km/h、回転数は2294回転でした。
ツーシームは2022年より約5km/h遅いです。
スライダーは2022年より約2km/h遅いです。
平均球速は今季最速
上は登板日別の平均球速と回転数の図です。
ストレートの平均球速157.7km/hは今季最速でした。
回転数は2294回転とMLB平均くらいです。
最後まで球速維持
上は球種ごとの回別平均球速です。
5回も157.1km/hと最後まで球速を維持しました。
7. 回転軸と変化量
回転軸
上図は捕手側から見た球種別の回転軸の向きで、◇は2022年、点線はMLB平均を表しています。数値は回転数で、中心から離れるほど回転数が多くなります。
スライダーの横変化量41cm
上図は捕手側から見た球種別の変化量で、◇は2022年、△はMLB平均を表しています。
ストレートはいつもよりシュートライズでした。
スライダー(スイーパー)は2022年以上の横変化量41cmと凄い曲がり幅でした。ただ試合後に本人がコメントしていたように変化量が不安定でした。
まとめ
①シーズン59奪三振はMLB1位
②奪三振率13.6はリーグ1位
③通算500奪三振&100本塁打
④4球種のみ
⑤ストレートを今季最多37%
⑥配球に左右差なし
⑦全ての回で15球以上
⑧右打者への制球がイマイチ(全四死球は右打者)
⑨左打者に被弾2
⑩4球種とも空振率15%以上
⑪ストレートの空振率22%と高い(2022年は10%)
⑫今季最速の平均球速157.7km/h
⑬ツーシーム、スライダーが2022年より遅い
⑭最後まで球速維持
⑮ストレートはシュートライズ
⑯スライダーの横変化量41cm
⑰スライダーの変化量不安定
【ストレート】
平均球速157.7km/h
最高161.3km/h
平均2294回転
ホップ量39cm、シュート成分14cm
今回は「大谷翔平投手の2023年5月3日投球分析」を紹介しました。
5回を投げて97球、被安打5、被本塁打2、四死球2、奪三振13、失点4で勝敗はつきませんでした。
スライダーを狙い打たれたり、ど真ん中の直球系を打たれたりと今季ワーストの被安打5でした。しかし、4球種とも空振率15%以上で5回15個のアウトのうち13個が奪三振の快投を披露しました。
ストレートは空振率22%と高く、平均球速157.7km/hは今季最速で球威がありました。
調子事態は良さそうなので次回登板のアストロズ戦が楽しみです。
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