第379回 【大谷翔平】6回9安打2被弾5失点で2敗目(2023年6月2日投球分析)
2023年6月2日(日本時間6月3日)、大谷翔平投手(28)が本拠地アナハイムでのマーリンズ戦に「1番・投手兼DH」で投打同時出場。
6回を投げて107球、被安打9、被本塁打2、四死球1、奪三振6、失点5でしたが2敗目。
ストレートは平均球速157.8km/h(今季最速)でしたが、平均ホップ量30cmとノビがありませんでした。
そのため空振りが7個と非常に少なく内野安打4本と不運な当たりが続き被安打9(今季ワースト)と打たれました。
これで被打率.175はMLB1位、シーズン96奪三振はMLB3位、奪三振率12.2はア・リーグ1位となりました(5月27日時点)。
今回はそんな「大谷翔平投手の2023年6月2日投球分析」を紹介します。
データはBaseball SavantとFanGraphsのデータを使用します。
1. 球種・投球割合
久しぶりにカーブを投球
今回はストレート、ツーシーム、スプリーム、フォーク、カットボール、縦スラ、スライダー、カーブの8球種を投球しました。
あまりに多彩すぎてトラックマンデータも球種を誤判定していたので、握りで球種を再判別しました。
大谷翔平投手本人が語ってるようにMLB公式の球種判別は間違っていることがあるみたいです。
※当ブログでは握りが違う「第二のスプリットをスプリーム」と呼称しています。詳細は過去記事を参照して下さい。
左打者の球種バランスが良い
上は2022年、下は今回の左右投球割合です。
右打者はストレート、ツーシーム、スライダーの3球種で89%と大半を占めていますが、左打者は6球種をバランスよく投球しました。
初回にフォークを多投
今回も上位打線にフォークを意識させるため初回にフォークを多投しましたが、全球ボールでした。
今回は前回と逆でツーシームを4回以降に多投。
2. コース
左打者から空振り0
左右共に真ん中付近が少なく、打たれたボールもゾーンのエッジ付近です。
ただ左打者から空振り0でした。
3. 対左右成績
左から奪三振0
上図は今回、2023年、MLB右投手平均の左右別被OPSです。
左打者の空振りが0だったので左打者の奪三振も0でした。
4. 球種成績
空振り7個のみ
全体でストライク率64%(MLB平均64.2%) 、ゾーン内率61%(MLB平均48.5%)と、ゾーン内率はかなり高かったです。
スプリームとフォークはストライク率とゾーン内率が低く制球に課題があります。
全球種が空振率15%以下と低く、空振りが7球しかありませんでした。
5. リリースポイント
リリース位置が低い
左図は捕手目線、右図は三塁側から投手を見たリリースポイントです。◇は2022年平均、△はMLB平均です。
2022年よりリリース位置が低いです。
今回もスライダーを上から投げたり、横から投げたりしていました。
6. 球速と回転数
平均球速157.8km/h、最高162.2km/h
上図は球種別の平均球速と回転数のグラフで、◇は2022年平均、△はMLB平均を表しています。
ストレートは平均球速157.8km/h、最高球速162.2km/h、回転数は2286回転でした。
ツーシームは前回151.9km/h→今回155.2km/hと速かったです。
平均球速157.8km/hは今季最速
上は登板日別の平均球速と回転数の図です。
ストレートの平均球速157.8km/hは今季最速でした。回転数2286回転は今季平均くらいでした。
終盤まで球速維持
上は球種ごとの回別平均球速です。
6回も平均156.7km/hと球速を維持してました。
7. 回転軸と変化量
回転軸
上図は捕手側から見た球種別の回転軸の向きで、◇は2022年、点線はMLB平均を表しています。数値は回転数で、中心から離れるほど回転数が多くなります。
ストレートはいつも以上に真っスラ
上図は捕手側から見た球種別の変化量で、◇は2022年、△はMLB平均を表しています。
ストレートはシュート成分とホップ成分が少なく、いつも以上に真っスラでした。
ツーシームはシュート成分が少なく、スプリームに似た変化量でした。
縦スラは球速が速い分、2022年より縦変化量が小さいです。
スライダー(スイーパー)はカーブのように縦に回転をかけるようなリリースの時は縦変化量が大きいです(スラーブ?)。
まとめ
①被打率.175はMLB1位
②シーズン96奪三振はMLB3位
③今季ワースト被安打9(内野安打4)
④8球種(握りで球種を判定)
⇒3試合ぶりにカーブを投球
⑤右打者は3球種で89%、左打者は6球種のバランスが良い
⑥初回にフォークを多投
⑦ツーシームは4回以降に多投
⑧左打者の空振り0
⑨ゾーン内率61%と高い
⑩空振りが7個のみ(今季平均16個)
⑪スプリーム、フォークはゾーン率低い(制球に課題)
⑫スライダーを上から投げたり、横から投げたり
⑬ツーシームが平均155.2km/h(前回151.9km/h)
⑭終盤まで球速維持
⑮ストレートはいつも以上に真っスラ(ホップ量30cm)
⑯ツーシームのシュート成分が少ない
⑰スライダーのホップ成分が少ない
【ストレート】
平均球速157.8km/h(今季最速)
最高162.2km/h
平均2286回転
ホップ量30cm、シュート成分5cm
今回は「大谷翔平投手の2023年6月2日投球分析」を紹介しました。
6回を投げて107球、被安打9、被本塁打2、四死球1、奪三振6、失点5でしたが2敗目。
ストレートは平均球速157.8km/h(今季最速)でしたが、平均ホップ量30cmとノビがありませんでした。
そのため空振りが7個と非常に少なく内野安打4本と不運な当たりが続き被安打9(今季ワースト)と打たれました。
最近は色んな球種を試しているので次回登板予定のマリナーズ戦が楽しみです。
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