第273回 【大谷翔平】ツーシーム多投&6回2失点8K(2022年8月15日投球分析)
2022年8月15日、大谷翔平投手(28)が本拠地エンゼルスタジアムでのマリナーズ戦に「2番・投手兼DH」で投打同時出場。
6回を投げて97球、被安打7、四死球1、奪三振8、2失点で勝敗は付きませんでした。
序盤にマリナーズ打線がスライダーを明らかに狙っていたため、途中からはストレート中心の投球に変更しました。また、7月6日以来のツーシームを6球投げました。
今回はそんな「【投手兼DH】大谷翔平投手の2022年8月15日投球分析」を紹介します。
データはBaseball SavantとFanGraphsのデータを使用します。
1. 球種・投球割合
ストレート39%、ツーシーム6%と多投
今回はストレート、ツーシーム、フォーク、スラッター、スライダー、カーブの6球種を投球しました。
ストレート39%、ツーシーム6%と多投しました。
スプリームは投げませんでした。
※当ブログでは「カットボールをスラッター」と「第二のスプリットをスプリーム」と呼称しています。詳細は過去記事を参照して下さい。
ツーシームは右打者に多投
上は前回登板までの2022年平均、下は今回の左右投球割合です。
左右ともにスライダーが少なかったです。その分、右打者にはツーシーム、左打者にはストレートを多投しました。
2. コース
左打者には外からのスライダーを狙い打たれた
序盤、左打者に外からのスライダーを狙い打たれました。
一方、右打者はいつも空振りを量産してた外に逃げるスライダーを多く見逃していて、曲がりが甘かった真ん中付近をハニガー選手に打たれました。
これらのことから、明らかにマリナーズ打線はスライダーを狙っていました。
今回6球投じたツーシームは3球が明らかなボールで制球に課題がありそうです。
3. 各成績
左打者に打たれた
上図は今回、前回登板までの2022年平均、MLB右投手平均の左右別被OPSです。
左打者に6安打と打たれました。
全6球種で空振りを奪う
今回は空振りが13個と、いつもより少なかったですが、全6球種で空振りを奪いました。
ただ、スライダーは空振りが2個(前回7個、前々回14個)と大きく減りました。
ストレートはストライク率71%、ゾーン内率68%とストライクを取れていました。
ツーシームはストライク率33%、ゾーン内率33%と制球に課題がありそうです。
4. リリースポイント
ツーシームはストレートと同じリリース位置
左図は捕手目線、右図は三塁側から投手を見たリリースポイントです。◇は2022年平均、△はMLB平均です。
全球種のリリース位置はいつもぐらいでした。
普通はツーシームをストレートより横から投げる投手が多いですが、大谷翔平投手のツーシームはストレートと同じリリース位置でした。
5. 球速と回転数
平均球速156.0km/h、最高160.6km/h
上図は球種別の平均球速と回転数のグラフで、◇は2022年平均、△はMLB平均を表しています。
ストレートは平均球速156.0km/h、最高球速160.6km/h、回転数は2175回転でした。
MLB平均よりツーシームは回転数が少なく、球速がかなり速いです。
7月に比べると球速が出ていなかった
ストレートは平均球速156.0km/hで、7月に比べると球速は出てませんでした。
回転数は2175回転と今季の中では平均的でした。
球速は尻上がり
尻上がりに球速が上がり、5,6回は平均159km/h前後まであがりました。
6. 回転軸と変化量
回転軸
上図は捕手側から見た球種別の回転軸の向きで、◇は2022年、点線はMLB平均を表しています。数値は回転数で、中心から離れるほど回転数が多くなります。
ツーシームは変化量大
上図は捕手側から見た球種別の変化量で、◇は2022年、△はMLB平均を表しています。
ストレートはいつもとは違い、MLB平均くらいシュート成分が多かったです。またホップ成分も多いです。
ツーシームはMLB平均よりも変化量が大きいです。
フォークは変化量が安定してました。
スラッター、スライダー、カーブは横変化量が少し少なかったです。特にスライダーは変化量が小さいボールが多かったです。
まとめ
①ストレート38球、ツーシーム6球と多投
②左打者には外からのスライダーを狙い打たれた
③全6球種で空振りを奪う
④ツーシームはストレートと同じリリース位置
⑤平均球速156.0km/h、最高160.6km/h
⑥平均2175回転、ホップ量38cm
⑦ツーシームは球速が速く、変化量大
今回は「【投手兼DH】大谷翔平投手の2022年8月15日投球分析」を紹介しました。
6回を投げて97球、被安打7、四死球1、奪三振8、2失点で勝敗は付きませんでした。
序盤にマリナーズ打線がスライダーを明らかに狙っていたため、途中からはストレート中心の投球に変更しました。また、7月6日以来のツーシームを6球投げました。
普通はツーシームをストレートより横から投げる投手が多いですが、大谷翔平投手のツーシームはストレートと同じリリース位置でした。
それにも関わらず、ツーシームはMLB平均よりも変化量が大きいです。ただし、今回6球投じたツーシームは3球が明らかなボールで制球に課題がありそうです。
ストレートは平均球速156.0km/h、最高球速160.6km/h、回転数は2175回転で、いつもとは違い、MLB平均くらいシュート成分が多かったです。
調子はよくありませんでしたが、6回2失点と抑えられているので、次回登板では調子を上げて奪三振ショーを見せて欲しいです。
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