第283回 【大谷翔平】新球種「縦スライダー」で13勝目(2022年9月17日投球分析)
2022年9月17日、大谷翔平投手(28)が本拠地エンゼルス・スタジアムでのマリナーズ戦に「3番・投手兼DH」で投打同時出場。
7回を投げて107球、被安打3、四死球1、奪三振8、失点0で13勝目。
マリナーズ打線が8人も左打者を並べたことも影響してか、新球種「縦スライダー」を投球しました。
縦スラの握りは「去年のカットボール」と同じ握りです。ちなみに最近のカットボールは違う握りをしています。
今回はそんな「【投手兼DH】大谷翔平投手の2022年9月17日投球分析」を紹介します。
データはBaseball SavantとFanGraphsのデータを使用します。
1. 球種・投球割合
バランス良く投球
今回はストレート、ツーシーム、フォーク、カットボール、縦スラ、スライダー、カーブの7球種を投球しました。
いつもよりバランス良く投球しました。
スプリームは投げませんでした。
※当ブログでは「第二のスプリットをスプリーム」と呼称しています。詳細は過去記事を参照して下さい。
右打者にツーシームとスライダー、左打者はバランスが良い
上は前回登板までの2022年平均、下は今回の左右投球割合です。
右打者には約9割以上がツーシームとスライダーでした。
一方、左打者にはバランス良く投球しました。
2. コース
アウトロー中心
右打者へはほぼアウトローのスライダーでした。
左打者には色んな球種でアウトロー中心の投球で、高めの球が非常に少なかったです。
3. 各成績
単打3本のみ
上図は今回、前回登板までの2022年平均、MLB右投手平均の左右別被OPSです。
打たれたのは左打者の単打3本のみでした。
縦スラはゾーン外を振らせる
縦スラはストライク率77%、ゾーン内率38%とゾーン外をかなり振らせました。
全体でストライク率68%(前回61%)、ゾーン内率48%(前回43%)と、前回よりはストライクを取れました。
空振りは16個(前回11個)と、いつもよりは少なかったです。
4. リリースポイント
縦スラのリリース位置が高い
左図は捕手目線、右図は三塁側から投手を見たリリースポイントです。◇は2022年平均、△はMLB平均です。
スライダーなどより縦スラはリリース位置が高いです。
5. 球速と回転数
平均球速157.3km/h、最高160.0km/h
上図は球種別の平均球速と回転数のグラフで、◇は2022年平均、△はMLB平均を表しています。
ストレートは平均球速157.3km/h、最高球速160.0km/h、回転数は2183回転でした。
縦スラはスライダーと同じくらいの球速ですが、回転数は少し多いです。
平均球速、回転数ともに平均くらい
ストレートは平均球速157.3km/hで、今季の中では平均的でした。
回転数も2183回転で平均的でした。
1回から球速が出ていた
スロースタータータイプの大谷翔平投手ですが、今回は1回から球速出ていました。
6. 回転軸と変化量
回転軸
上図は捕手側から見た球種別の回転軸の向きで、◇は2022年、点線はMLB平均を表しています。数値は回転数で、中心から離れるほど回転数が多くなります。
縦スラの変化量が非常に大きい
上図は捕手側から見た球種別の変化量で、◇は2022年、△はMLB平均を表しています。
いつもは真っスラ気味のストレートはややシュート気味でした。
ツーシームはMLB平均よりも変化量が大きいです。
フォークは変化量が不安定していました。
縦スラはMLB平均よりも変化量が非常に大きいです。
まとめ
①新球種「縦スライダー」
②左打者にはバランス良く投球
③縦スラはゾーン外を振らせる
④縦スラのリリース位置が高い
⑤縦スラの変化量大
【ストレート】
平均球速157.3km/h
最高160.0km/h
平均2183回転
ホップ量37cm、シュート成分11cm
今回は「【投手兼DH】大谷翔平投手の2022年9月17日投球分析」を紹介しました。
7回を投げて107球、被安打3、四死球1、奪三振8、失点0で13勝目。
新球種「縦スライダー」を投球しました。
縦スラの握りは「去年のカットボール」と同じ握りです。MLB平均よりも縦変化量が非常に大きいボールで、ゾーン外を多く振らせました。
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