第422回 【千葉ロッテ】2024年新外国人ジミー・コルデロ投手の投球分析
2023年12月6日、千葉ロッテが前ヤンキースのジミー・コルデロ(Jimmy Cordero)投手(32)と契約合意したと発表しました。
コルデロ投手の特徴としては、ダイナミックな投球フォームから160km/hを超えるツーシームが武器のMLBトップレベルのグラウンドボーラーです。
今回はそんな「【千葉ロッテ】2024年新外国人ジミー・コルデロ投手の投球分析」を紹介します。
Baseball SavantとFanGraphsのデータを使用します。
1. 基本情報・年度別成績
今季はDVで出場停止処分
所属球団 | ワシントン・ナショナルズ (2018) トロント・ブルージェイズ (2019) シカゴ・ホワイトソックス (2019 – 2020) ニューヨーク・ヤンキース (2023) |
ポジション | リリーフ |
投打 | 右投右打 |
生年月日 | 1991年10月19日(32歳) |
身長 | 190 cm |
体重 | 111 kg |
今季はMLBで活躍
今季MLBで31試合に登板して防御率3.86、被打率.208、奪三振率9.4、与四死球率3.3です。
3A通算では100試合に登板して防御率2.56、被打率.227、奪三振率10.3、与四死球率4.1でした。
今季MLBと3Aでは奪三振率が高いです。
投手としての特徴は「被本塁打が少ない」「リリースが高く球持ちが良い」「対ピンチにかなり強い」「球速が速い」「グラウンドボーラー」などがあげられます。
MLBトップレベルのグラウンドボーラー
MLB通算のゴロ率が56%(MLB平均45%)とMLBトップレベルのグラウンドボーラーです。
特にツーシーム、カットボールのゴロ率がとても高いです。
2. 球種・投球割合
今季はほぼ2球種
持ち球はストレート、ツーシーム、カットボール、チェンジアップ、スライダー、カーブの6球種です。
ただ今季はツーシーム、スライダーのほぼ2球種で、カットボールとカーブは投球0でした。
右にスライダー、左にチェンジアップを多投
上図は左右別投球割合で、色が球種を表しています。
左打者にはチェンジアップ、右打者にはスライダーの比率が高いです。
3. カウント別
スライダーが決め球
左右共にスライダーが決め球での投球が増えています。
4. コース
各球種の空振りを奪えるコースが決まってる
上図は球種ごとのベース上の位置です。
各球種の空振りを奪えるコースが決まってます。
ストレートは高め
ツーシームは右イン、左アウト
カットボールは右アウト
チェンジアップは右インロー、左アウトロー
スライダーは右アウトロー、左インロー
への投球が多くて空振りも奪っています。
右打者の低め◎
ツーシームを多投するため右打者の低めの成績が良いです。
5. 対左右成績
対右打者○
被OPSは右が.621、左が.777と右打者が得意です。
6. 得点圏成績
対ピンチ○
得点圏の被打率.206、被OPS.581と対ピンチにはかなり強いです。
これは得点圏では球速が上がるからと考えられます。
7. ホームアウェイ成績
ホームに強い
ホームの被打率.223、被OPS.638、防御率3.53とホームに強いです。
8. 球種別成績
カットボール、チェンジアップ、スライダーの空振率高い
左はOPSのグラフ、右は空振りなどのグラフ、下は球種別の成績です。
ストレートは左被打率.233と左打者に有効です。
ツーシームは右被打率.188で右打者に有効で、ストライク率66%とカウント球としても優秀です。
チェンジアップは左右ともに被打率.152と低く、空振率24%も高いのでストライク率も67%と高いです。
スライダーは右被打率.180で右打者に有効で、空振率17%も高いのでストライク率も65%と高いです。
全体でストライク率64%(MLB平均64.2%) 、ゾーン内率48%(MLB平均48.5%)と、MLB平均くらいです。
9. リリースポイント
リリースが高い
左図は捕手目線、右図は三塁側から投手を見たリリースポイントです。△はMLB平均のリリースポイントです。
MLB平均よりリリースは約15cmも近く高いです。
また球種間の差がないです。
エクステンションはMLB平均より25cmも球持ちが良いです。
10. 球速と回転数
平均球速158.8km/h、最高162.7km/h
上図は球種別の平均球速と回転数のグラフで、△はMLB平均を表しています。
ストレートは2023年は平均球速は158.8km/hと、NPB2位相当の球速です。回転数は2165回転と少ないです。
ツーシーム平均156.6km/h
カットボール平均149.0km/h ※2022年
チェンジアップ平均146.0km/h
スライダー平均139.8km/h
カーブ平均130.7km/h ※2022年
と変化球も高速です。
ただ変化球全体の回転数は少ないです。
平均球速は上昇傾向
平均球速が156km/h以上で安定していて2023年は上昇しています。
11. 変化量
回転軸
上図は捕手側から見た球種別の回転軸の向きで、点線はMLB平均を表しています。数値は回転数で、中心から離れるほど回転数が多くなります。
ストレートは今季ポップ量増加
上図は捕手側から見た球種別の変化量で、◇は2023年平均、△はMLB平均を表しています。
ストレートは今季はホップ成分49cmでした。
ツーシームはホップ成分が多く横に曲がるシュートタイプです。
チェンジアップもホップ成分が多く縦変化量が小さいです。
スライダーは縦変化量が大きいです。
まとめ
【基本情報】
①MLBトップレベルのグラウンドボーラー
②今季MLB
防御率3.86
被打率.208
奪三振率9.4
与四死球率3.3
③直近3年は与四死球率が4.0以下
④3Aでは奪三振率が10.3と高い
⑤ゴロ率56%とかなり高い
【球種割合・カウント】
①6球種(今季はほぼ2球種)
②右にスライダー、左にチェンジアップを多投
③スライダーを決め球に使用
【コース】
①次のコースの投球と空振り多い
ストレートは高め
ツーシームは右イン、左アウト
カットボールは右アウト
チェンジアップは右インロー、左アウトロー
スライダーは右アウトロー、左インロー
②右打者の低め◎
【対左右・得点圏成績】
①対右打者◯(右被打率.222)
②左打者への与四死球率高い
③対ピンチ○
被打率.206
④ホーム◯
被打率.223
防御率3.53
【球種別成績】
①ストレートは左打者◯(左被打率.233)
②ツーシームは右打者◯(右被打率.188)
③チェンジアップは優秀(被打率.152、空振率24%)
④スライダーは右打者◯(右被打率.180)
【リリース】
①リリースは約15cmも近く高い
②リリース○(球種間の差がない)
③球持ち◎
【球速・回転数】
①平均球速158.8km/h、最高161.1km/h
②回転数はやや少ない
③変化球も高速
【変化量】
①ストレートが今季ホップ量49cm
②ツーシームはシュートタイプ
③チェンジアップは縦変化量が小さい
④スライダーは縦変化量大
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