第7回 【メジャー(MLB)右投手】コース別投球割合
前回からの続きで2020年のメジャー(MLB)右投手のトラックマンデータの解析結果を紹介したいと思います。
分量が多いので数回に分けて紹介します。今回はコース別投球割合です。
データの取得とCSVファイルの説明については過去記事を参考にして下さい。
第1回 メジャー(MLB)投手のトラックマンデータ取得方法(csvファイル)
第5回 メジャー(MLB)投手のトラックマンデータ(csvファイル)の説明
第6回 メジャー(MLB)右投手の球種、投球割合

1. コースの説明

Baseball Savantではコース(ゾーン)を13個に分けて記録。
例えば「1」は右打者のインハイのストライクゾーンです。
「10」は空番でどのコース(ゾーン)でもありません。
2. コース別投球割合
右投手のコース別投球割合(右打者・2020年).png)
右投手のコース別投球割合(左打者・2020年).png)
やはりアウトローのボール球が割合が高く、またストライクゾーン内でもアウトローよりが割合が高い。
右打者は、そのアウトローを生かすためにインハイのボールゾーンに見せ球を投げる傾向。
左打者は、インハイの割合が低く、インローのボールゾーンに見せ球を投げる傾向。

ストレート
右投手のコース別投球割合(右打者・2020年)_ストレート.png)
右投手のコース別投球割合(左打者・2020年)_ストレート.png)
インローへの割合が低く、ストライクゾーン内では真ん中に投げている割合が高い。
左打者へはアウトハイの割合が高い。
ツーシーム
右投手のコース別投球割合(右打者・2020年)_ツーシーム.png)
右投手のコース別投球割合(左打者・2020年)_ツーシーム.png)
右打者はストレートと違い、インローへの割合が高い。
アウトローにバックドアとして使用している傾向も見られます。
左打者はストレートと違い、アウトローへの割合が高い。
インローに「バックドア」として使用している傾向も見られます。
スプリット
右投手のコース別投球割合(右打者・2020年)_スプリット.png)
右投手のコース別投球割合(左打者・2020年)_スプリット.png)
低めへの割合が高い。
右打者はストライクゾーン内ならインコース、ボールゾーンにはアウトコースの傾向が見られます。
左打者はアウトローの割合が高い。
カットボール
右投手のコース別投球割合(右打者・2020年)_カットボール.png)
右投手のコース別投球割合(左打者・2020年)_カットボール.png)
右打者にはアウトロー、左打者にはインローへの割合が高い。
チェンジアップ
右投手のコース別投球割合(右打者・2020年)_チェンジアップ.png)
右投手のコース別投球割合(左打者・2020年)_チェンジアップ.png)
低めへの割合が高い。
左打者にはアウトローへの割合が高く、外に逃げる球としてしようしている投手が多い。
スライダー
右投手のコース別投球割合(右打者・2020年)_スライダー.png)
右投手のコース別投球割合(左打者・2020年)_スライダー.png)
低めへの割合が高い。
右打者には、アウトローへの逃げる球の割合が高い。
「インスラ」「フロントドア」という言葉があるが、ほとんどインコースには投げられていない。
左打者には、インローへの割合が高い。
カーブ
右投手のコース別投球割合(右打者・2020年)_カーブ.png)
右投手のコース別投球割合(左打者・2020年)_カーブ.png)
右打者には、スライダーと同じく、アウトローへの逃げる球の割合が高い。
左打者には、インローのボールゾーンへの割合が高い。
ただし、ストライクゾーン内ではコースの偏りはほとんどない。
ナックルカーブ
右投手のコース別投球割合(右打者・2020年)_ナックルカーブ.png)
右投手のコース別投球割合(左打者・2020年)_ナックルカーブ.png)
右打者には、カーブと同じく、アウトローへの逃げる球の割合が高い。
左打者には、カーブと同じく、インローのボールゾーンへの割合が高い。
3. まとめ
今回は2020年のメジャー(MLB)投手のトラックマンデータの解析結果として、
「メジャー(MLB)右投手のコース別投球割合」を紹介しました。
・左右関係なく、アウトローの逃げる球が多い
・左打者にはアウトハイが多い
・スプリット、チェンジアップなどの落ちる球は低めが多い
・スライダー、カーブ、ナックルカーブなどの遅く曲げる球は低めが多い
次回は「メジャー(MLB)右投手のカウント別投球割合」を紹介する予定です。
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