第23回 【オリックス復帰】平野佳寿投手の投球分析
「【オリックス復帰】平野佳寿投手の投球分析」ということで、
2018~2020年のBaseball Savantのトラックマンデータから平野投手の投球分析結果を紹介したいと思います。主に紹介するのは2020年のデータです。
1. 基本成績
2018年は75登板で防御率2.44とかなり優秀。
2019年は防御率などは悪いが、奪三振率が高く、62登板しているので十分活躍したと言える。
2020年は四死球が多く、残念ながら期待には応えられていない。
2. 投球割合
平野佳寿投手が投げるのは、ストレート、スプリットの2球種である。
スライダーも数球投げてはいるが、スプリットと似た変化をしているので今回は省きました。
投球割合はほぼ半分ずつであるが、左打者にはスプリットが少し多い。
メジャー平均と比べると、スプリットを多投している。
第6回 メジャー(MLB)右投手の球種、投球割合
3. コース別投球割合
メジャー平均と比べると、ボールゾーンの割合が多い。
左打者はアウトローの割合が高い。
第7回 メジャー(MLB)右投手のコース別投球割合
ストレート
ストレートに関しては高めの割合が高い。
右打者のインローにはほとんど投げていない。
スプリット
低めへの割合が高い。
右打者にはインローの割合が高く、左打者にはアウトローへの割合が高い。
4. カウント別投球割合
右打者は初球とボールが先行しているとストレートの割合が高い。
左打者はボールが先行しているとストレートの割合が高い。
初球はスプリットの割合が高く、2ストライクはスプリットしか投げていない。
ただし、フルカウントはストレートしか投げていない。
メジャー平均とは大きく違う。
第8回 メジャー(MLB)右投手のカウント別投球割合
5. 被打率・被本塁打
球種別被打率
年々被打率が悪くなっている。
ストレートは左打者の方が被打率が低く、スプリットは右打者の方が被打率が低い。
コース別被打率
右打者はインロー、インハイ、アウトローの被打率が低い。
左打者はインハイとアウトローの被打率が低い。
第9回 メジャー(MLB)右投手のコース別被打率、被本塁打
ストレート
右打者はインロー、インハイと真ん中付近の被打率が低い。
左打者はインハイの被打率が低い。
スプリット
右打者は高め、アウトコース、インローの被打率が低い。
左打者は高めとアウトローの被打率が低い。
コース別被本塁打
左右関係なく、ストレートは高め、スプリットは低めを被弾している。
6. 球速・回転数
ストレート、スプリットのどちらも球速が年々低下している。
ストレートに関しては平均回転数も年々低下している。
第10回 メジャー(MLB)右投手の平均球速・平均回転数
7. 平均リリースポイント・変化量
平均リリースポイント
2018年から2019年はリリースポイントが高くなっている。
2019年から2020年はリリースポイントが頭に近くなり、捕手側でリリースしている。
第11回 メジャー(MLB)右投手の平均リリースポイント・平均変化量
変化量
ストレートはメジャー平均よりもホップ成分とシュート成分が多い。
スプリットはメジャー平均よりも落差が大きく、ほぼストレートの真下にある。
第11回 メジャー(MLB)右投手の平均リリースポイント・平均変化量
8. 軌道シミュレーション
軌道
メジャー平均と比べると、ストレートとスプリットはほぼ同じ軌道であり、見分けるのが難しい。
第12回 メジャー(MLB)右投手の軌道シミュレーション
ストレートの軌道
スプリットの軌道
軌道シミュレーション
0.02秒/1コマでメジャー(MLB)右投手の軌道シミュレーションで作成。
下はストレートのトンネルポイント地点の時間で一時停止したものである。
ストレートで止めているので、他の球種は実際のトンネルポイントとは差異がある点に注意。
9. 打球の種類比率・リスク管理
スプリットはメジャー平均よりもゴロ率が高く、優秀である。
ストレートはゴロ率が低く、特に2020年はかなり低い。
2019年のスプリットは非常に高い空振り率を記録しており、これが奪三振率が高い要因だったと考えられる。
第13回 メジャー(MLB)右投手の打球種類比率・リスク管理
10. まとめ
利き手 | 右 |
球種の豊富さ | [usr 1 size=20 img="06.png"] |
制球力 | [usr 3 size=20 img="06.png"] |
球速 | [usr 3 size=20 img="06.png"] |
奪三振能力 | [usr 4 size=20 img="06.png"] |
ピッチトンネル | [usr 4.5 size=20 img="06.png"] |
ストレート | [usr 3 size=20] |
スプリット | [usr 4 size=20] |
対左打者 | [usr 4 size=20 img="05.png"] |
リリース近さ | [usr 4 size=20 img="05.png"] |
リリース高さ | [usr 4 size=20 img="05.png"] |
球持ち | [usr 3 size=20 img="05.png"] |
年々球速が低下していて、与四死球が増えているのが不安材料です。
ただし、ストレートとスプリットの見分けが難しいので活躍してくれると思います。
・2020年の四死球が増えている。
・ストレート、スプリットの2球種
・投球割合はほぼ半分ずつであるが、左打者にはスプリットが少し多い
・ボールゾーンの投球割合が多い
・左打者はアウトローの割合が高い
・ストレートは高め、スプリットは低めの投球が高い
・右打者は初球とボールが先行しているとストレートの割合が高い
・左打者はボールが先行しているとストレートの割合が高い
・年々被打率が悪くなっている
・ストレートは左打者、スプリットは右打者の方が被打率が低い
・ストレート、スプリットのどちらも球速が年々低下
・ストレートに関しては平均回転数も年々低下
・2018年から2019年はリリースポイントが高くなっている
・2019年から2020年はリリースポイントが頭に近くなり、捕手側でリリース
・ストレートはメジャー平均よりもホップ成分とシュート成分が多い
・スプリットはメジャー平均よりも落差が大きく、ほぼストレートの真下
・ストレートとスプリットはほぼ同じ軌道であり、見分けるのが難しい