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第27回 【ジャイアンツ】山口俊投手の投球分析

2021年11月22日

今回は2020年のBaseball Savantのトラックマンデータから山口俊投手の投球分析結果を紹介したいと思います。また2019年のプロ野球(NPB)のデータも使用しました。 プロ野球のデータは下記のいくつかのサイトを参考にしてます。 プロ野球データFreak Baseball LAB変化球割合

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1. 基本成績

所属球団横浜DeNAベイスターズ
⇒読売ジャイアンツ
⇒トロント・ブルージェイズ
⇒サンフランシスコ・ジャイアンツ
ポジション先発
投打右投右打
生年月日1987/07/11
身長188 cm
体重102 kg
基本情報
基本成績

2019年プロ野球と2020年MLBの基本成績です。 全体的に成績が悪化しているが、奪三振率左打者の被打率それほど悪化していない与四死球の増加右打者の被打率の上昇が成績悪化の原因と考えられます。

やきゅまる
メジャーでも三振は獲れていたんだね

2. 投球割合

山口俊投手の投球割合(全打者)
山口俊投手の投球割合(右打者・2020年)
山口俊投手の投球割合(左打者・2020年)
右キャプション
2019年のプロ野球は、左右の投球割合を用意出来なかった

山口俊投手が投げるのは、ストレート、スプリット、スライダー、カーブの4球種である。

日本時代に比べると、メジャーではスプリットの割合が増えて、スライダー、カーブは減っている。

右打者にはスライダー左打者にはスプリットの割合が増えている。

メジャー平均と比べると、スプリットを多投している。 第6回 メジャー(MLB)右投手の球種、投球割合

やきゅまる
右打者にはスライダー、左打者にはスプリットはオーソドックスだね

3. コース別投球割合

山口俊投手のコース別投球割合(2020年)

メジャー平均と比べると、ボールゾーンの割合が多い左右関係なく、アウトコースの割合が高い第7回 メジャー(MLB)右投手のコース別投球割合

ストレート

山口俊投手のコース別投球割合(2020年)_ストレート

ストレートに関しては高めの割合が高い右打者にはアウトロー左打者にはアウトハイの割合が高い。

スプリット

山口俊投手のコース別投球割合(2020年)_スプリット

低めへの割合が高い左打者にはインローへの割合が高い。

スライダー

山口俊投手のコース別投球割合(2020年)_スライダー

ストライクゾーン内では真ん中付近の割合が高い。 メジャー平均よりボールゾーンの割合が高い。

カーブ

山口俊投手のコース別投球割合(2020年)_カーブ

メジャー平均よりボールゾーンの割合が高い。

4. カウント別投球割合

山口俊投手のカウント別投球割合(右打者・2020年)
山口俊投手のカウント別投球割合(左打者・2020年)

ボールが先行しているとストレートの割合が高い。

あまりスライダーが決め球に使用されていない。 メジャー平均とは大きく違う。 第8回 メジャー(MLB)右投手のカウント別投球割合

5. 被打率・被本塁打

球種別被打率

球種別被打率

日本時代に比べるとスライダーの被打率が悪いストレートは左打者には有効である

やきゅまる
不調の原因はスライダーなのかもしれない

コース別被打率

山口俊投手のコース別被打率(2020年)

どちらも高めの被打率が低い。左打者は低めの被打率も低い第9回 メジャー(MLB)右投手のコース別被打率、被本塁打

コース別被本塁打

山口俊投手のコース別被本塁打(2020年)

右はストレート左はスプリットを被弾している。

6. 球速・回転数

山口俊投手の球速・回転数(2020年)
山口俊投手の平均球速・平均回転数(2020年)
山口俊投手の平均球速・平均回転数(2020年)_表

全球種がメジャー平均よりも球速が遅く、平均回転数が少ない。 日本時代と比べて、リリーフ登板が多かったのでストレートの平均球速は上がっている第10回 メジャー(MLB)右投手の平均球速・平均回転数

7. 平均リリースポイント・変化量

平均リリースポイント

山口俊投手の平均リリースポイント
山口俊投手の平均リリースポイント_前後
山口俊投手の平均リリースポイント_表

メジャー平均よりもリリースポイントは低く、頭より遠くでリリースしている。 第11回 メジャー(MLB)右投手の平均リリースポイント・平均変化量

変化量

山口俊投手の変化量(2020年)
山口俊投手の平均変化量(2020年)

ストレートはメジャー平均よりもシュート成分が多い。 スプリットはメジャー平均よりも落差が大きく、ほぼストレートの真下にある。 スライダーはほぼメジャー平均。 カーブはメジャー平均よりも落差が大きく、曲がりも大きい

やきゅまる
スプリット投手のストレートとしては、ホップ成分がもう少し欲しい

第11回 メジャー(MLB)右投手の平均リリースポイント・平均変化量

8. 軌道シミュレーション

軌道

三塁側から見た軌道
上から見た軌道
捕手目線の軌道
捕手目線の軌道(トンネルポイントまで)

リリースポイントが低く、頭から離れているので、メジャー平均よりも横からボールが来る軌道である。 第12回 メジャー(MLB)右投手の軌道シミュレーション

やきゅまる
他のスプリット投手よりもピッチトンネルで少し差異が大きいね
第14回 【楽天復帰】田中将大投手の投球分析第23回 【オリックス復帰】平野佳寿投手の投球分析

軌道シミュレーション

山口俊投手の軌道シミュレーション(2020年)
山口俊投手の軌道シミュレーション(トンネルポイントで一時停止・2020年)

0.02秒/1コマでメジャー(MLB)右投手の軌道シミュレーションで作成。 下はストレートのトンネルポイント地点の時間で一時停止したものである。 ストレートで止めているので、他の球種は実際のトンネルポイントとは差異がある点に注意。

やきゅまる
平野投手に比べると、少しスプリットが見分けやすい

9. 打球の種類比率・リスク管理

山口俊投手の打球の種類比率
山口俊投手のリスク管理

スプリットはメジャー平均よりもゴロ率が高く、優秀である。 ストレートはゴロ率が低い。

ストレートは他の球種よりも空振り三振率が低い物ですが、山口俊投手のストレートは空振り三振率が高い。 スライダーで三振が一つも取れておらず、とてもリスクが高い球種となっている。

第13回 メジャー(MLB)右投手の打球種類比率・リスク管理

10. 奪三振球種割合・空振率・見逃率

山口俊投手の奪三振球種割合
山口俊投手の空振率・見逃率

日本時代に比べてスライダーの奪三振が減ってストレートの奪三振が増えている。 ストレートは空振り率も上昇しているが、スライダーの空振り率は減少していない。 2ストライクからのスライダーに課題があるのかもしれない。

スプリットの空振り率が減少している。

11. まとめ

利き手
年齢33
球種の豊富さ[usr 2 size=20 img="06.png"]
制球力[usr 3 size=20 img="06.png"]
球速[usr 3 size=20 img="06.png"]
奪三振能力[usr 4 size=20 img="06.png"]
ピッチトンネル[usr 3 size=20 img="06.png"]
ストレート[usr 3 size=20]
スプリット[usr 4 size=20]
スライダー[usr 2 size=20]
カーブ[usr 2 size=20]
対左打者[usr 5 size=20 img="05.png"]
リリース近さ[usr 1 size=20 img="05.png"]
リリース高さ[usr 2 size=20 img="05.png"]
球持ち[usr 3 size=20 img="05.png"]
各能力の評価

山口俊の投球分析をした結果、日本時代と比べてスライダーが決め球として使用出来なかったこと、全体的に制球が出来ていなかったことが不調の原因と考えられます。 どちらもボールが合わなかった可能性が考えられます。 そのため日本に帰って来たら、また活躍する可能性は高いと思います。

成績
・奪三振率と左打者の被打率はそれほど悪化していない。

・与四死球の増加と右打者の被打率の上昇が成績悪化の原因と考えられる
投球割合
・ストレート、スプリット、スライダー、カーブの4球種

・メジャーではスプリットの割合が増えて、スライダー、カーブは減っている

・右打者にはスライダー、左打者にはスプリットの割合が増えている

・左右関係なく、アウトコースの投球割合が高い

・ボールが先行しているとストレートの割合が高い

・あまりスライダーが決め球に使用されていない
被打率
・日本時代に比べるとスライダーの被打率が悪い

・ストレートは左打者には有効である

・右はストレート、左はスプリットを被弾している
球速
・全球種がメジャー平均よりも球速が遅く、平均回転数が少ない

・日本時代と比べて、リリーフ登板が多かったのでストレートの平均球速は上がっている
リリースポイント、変化量、軌道
・メジャー平均よりもリリースポイントは低く、頭より遠くでリリースしている

・ストレートはメジャー平均よりもシュート成分が多い

・スプリットはメジャー平均よりも落差が大きく、ほぼストレートの真下

・スライダーはほぼメジャー平均

・カーブはメジャー平均よりも落差が大きく、曲がりも大きい

・メジャー平均よりも横からボールが来る軌道
奪三振球種割合・空振率・見逃率
・日本時代に比べてスライダーの奪三振が減って、ストレートの奪三振が増えている

・日本時代に比べてスライダーの空振り率は減少していない

・日本時代に比べてスプリットの空振り率が減少している