第14回 【楽天復帰】田中将大投手の投球分析
「楽天復帰!田中将大投手の投球分析」ということで、
2020年のBaseball Savantのトラックマンデータから田中将大投手の投球分析結果を紹介したいと思います。
分量が多くなってしまったので、目次を活用してください。
1. 基本成績
![田中将大投手の基本成績(2020年)](https://yakyumaru.com/wp-content/uploads/2021/01/基本成績(2020年).png)
右打者の被打率が悪い。
四死球の少なさとWHIPは優秀である。
![やきゅまる](https://yakyumaru.com/wp-content/uploads/2021/01/character_sports_baseball.png)
2. 投球割合
![田中将大の投球割合(全打者・2020年)](https://yakyumaru.com/wp-content/uploads/2021/01/田中将大の投球割合(全打者・2020年).png)
![田中将大の投球割合(右打者・2020年)](https://yakyumaru.com/wp-content/uploads/2021/01/田中将大の投球割合(右打者・2020年).png)
![田中将大の投球割合(左打者・2020年)](https://yakyumaru.com/wp-content/uploads/2021/01/田中将大の投球割合(左打者・2020年).png)
田中将大投手が投げるのは、ストレート、ツーシーム、スプリット、スライダー、カーブの5球種である。
メジャー平均と比べると、スライダーとスプリットの割合が多く、ストレートの割合が少ない。
右打者にはスライダーが多く、左打者にはスプリットが多い。
第6回 メジャー(MLB)右投手の球種、投球割合
![やきゅまる](https://yakyumaru.com/wp-content/uploads/2021/01/character_sports_baseball.png)
3. コース別投球割合
![田中将大投手のコース別投球割合(2020年)](https://yakyumaru.com/wp-content/uploads/2021/01/田中将大投手のコース別投球割合(2020年)-1024x542.png)
メジャー平均と比べると、低めへの投球割合が多い。
特に、右打者はアウトローの割合が高い。
四死球が少ないにも関わらず、ボールゾーンの割合がメジャー平均より高い。
これは制球が良く、際どいボールが多いことを表している。
第7回 メジャー(MLB)右投手のコース別投球割合
![やきゅまる](https://yakyumaru.com/wp-content/uploads/2021/01/character_sports_baseball.png)
![説明アナ](https://yakyumaru.com/wp-content/uploads/2021/01/job_sports_jikkyou.png)
ストレート
![田中将大投手のコース別投球割合(2020年)_ストレート](https://yakyumaru.com/wp-content/uploads/2021/01/田中将大投手のコース別投球割合(2020年)_ストレート-1024x542.png)
ストレートに関しては高めの割合が高い。
ツーシーム
![田中将大投手のコース別投球割合(2020年)_ツーシーム](https://yakyumaru.com/wp-content/uploads/2021/01/田中将大投手のコース別投球割合(2020年)_ツーシーム-1024x542.png)
右打者にはインハイとアウトローのボール球の割合が高く、インローの割合が低い。
左打者にはインローのボール球の割合が高く、アウトローの割合が低い。
スプリット
![田中将大投手のコース別投球割合(2020年)_スプリット](https://yakyumaru.com/wp-content/uploads/2021/01/田中将大投手のコース別投球割合(2020年)_スプリット-1024x542.png)
低めへの割合が高い。
右打者には低め全体の割合が高く、アウトローへはストライクよりボールの割合が高い。
左打者にはストライクゾーン内の割合が高く、アウトローとインコース真ん中への割合が高い。
スライダー
![田中将大投手のコース別投球割合(2020年)_スライダー](https://yakyumaru.com/wp-content/uploads/2021/01/田中将大投手のコース別投球割合(2020年)_スライダー-1024x542.png)
低めへの割合が高い。
右打者にはアウトローへの割合がとても高い。
左打者には低め全体的に割合が高い。
カーブ
![田中将大投手のコース別投球割合(2020年)_カーブ](https://yakyumaru.com/wp-content/uploads/2021/01/田中将大投手のコース別投球割合(2020年)_カーブ-1024x542.png)
右打者にはアウトローへの割合が高い。
左打者にはアウトコース真ん中とインローへの割合が高い。
4. カウント別投球割合
![田中将大投手のカウント別投球割合(右打者・2020年)](https://yakyumaru.com/wp-content/uploads/2021/01/田中将大投手のカウント別投球割合(右打者・2020年)-818x1024.png)
![田中将大投手のカウント別投球割合(左打者・2020年)](https://yakyumaru.com/wp-content/uploads/2021/01/田中将大投手のカウント別投球割合(左打者・2020年)-821x1024.png)
ストレートは決め球ではなく、見せ球とカウントを稼ぐために使用している。
ツーシームは1ストライクから投げることが少し多い。
スプリット、スライダーはメジャー平均とは異なり、決め球だけでなく、カウントを取るボールとしても使用。
カーブは初球または2球目に投げることが多い
![やきゅまる](https://yakyumaru.com/wp-content/uploads/2021/01/character_sports_baseball.png)
第8回 メジャー(MLB)右投手のカウント別投球割合
5. 被打率・被本塁打
球種別被打率
![球種別被打率](https://yakyumaru.com/wp-content/uploads/2021/01/球種別被打率-1.png)
ストレートの被打率が悪く、他の球種は右打者の被打率が悪い。
コース別被打率・被本塁打
右打者
![田中将大投手のコース別被打率(右打者・2020年)](https://yakyumaru.com/wp-content/uploads/2021/01/田中将大投手のコース別被打率(右打者・2020年).png)
![田中将大投手のコース別被本塁打(右打者・2020年)](https://yakyumaru.com/wp-content/uploads/2021/01/田中将大投手のコース別被本塁打(右打者・2020年).png)
インハイとアウトローの被打率がとても低いが、それ以外は高い。
真ん中付近の球を本塁打されている。
![やきゅまる](https://yakyumaru.com/wp-content/uploads/2021/01/character_sports_baseball.png)
第9回 メジャー(MLB)右投手のコース別被打率、被本塁打
左打者
![田中将大投手のコース別被打率(左打者・2020年)](https://yakyumaru.com/wp-content/uploads/2021/01/田中将大投手のコース別被打率(左打者・2020年).png)
![田中将大投手のコース別被本塁打(左打者・2020年)](https://yakyumaru.com/wp-content/uploads/2021/01/田中将大投手のコース別被本塁打(左打者・2020年).png)
左打者もインハイとアウトローの被打率がとても低いが、それ以外は高い。
また真ん中付近の球を本塁打されている。
![やきゅまる](https://yakyumaru.com/wp-content/uploads/2021/01/character_sports_baseball.png)
第9回 メジャー(MLB)右投手のコース別被打率、被本塁打
6. 球速・回転数
![田中将大投手の球速・回転数(2020年)](https://yakyumaru.com/wp-content/uploads/2021/01/田中将大投手の球速・回転数(2020年).png)
![田中将大投手の平均球速・平均回転数(2020年)](https://yakyumaru.com/wp-content/uploads/2021/01/田中将大投手の平均球速・平均回転数(2020年).png)
![田中将大投手の平均球速・平均回転数の表(2020年)](https://yakyumaru.com/wp-content/uploads/2021/01/田中将大投手の平均球速・平均回転数(2020年)_表.png)
(カッコ内はメジャー平均)
ストレート、ツーシーム、スライダーはメジャー平均より1~3km/hくらい遅いがほぼ平均と言える。
カーブはメジャー平均より6km/hくらい遅く、少し回転数が少ない。
逆にスプリットはメジャー平均より3km/hくらい速く、ストレートとの差が少ない。
![やきゅまる](https://yakyumaru.com/wp-content/uploads/2021/01/character_sports_baseball.png)
第10回 メジャー(MLB)右投手の平均球速・平均回転数
7. 平均リリースポイント・変化量
平均リリースポイント
![田中将大投手の平均リリースポイント](https://yakyumaru.com/wp-content/uploads/2021/01/田中将大投手の平均リリースポイント.png)
![田中将大投手の平均リリースポイント_前後](https://yakyumaru.com/wp-content/uploads/2021/01/田中将大投手の平均リリースポイント_前後.png)
![田中将大投手の平均リリースポイントの表](https://yakyumaru.com/wp-content/uploads/2021/01/田中将大投手の平均リリースポイント_表.png)
![やきゅまる](https://yakyumaru.com/wp-content/uploads/2021/01/character_sports_baseball.png)
メジャー平均と比べても15cm以上低く、10cm以上頭の方向に近い。
このことにより、打者からすると球種の見分けが付きにくく、ストレートが伸びてくる印象になる。
またエクステンション(捕手方向のリリースポイント)も10cmほど近い。
第11回 メジャー(MLB)右投手の平均リリースポイント・平均変化量
変化量
![田中将大投手の変化量](https://yakyumaru.com/wp-content/uploads/2021/01/田中将大投手の変化量.png)
![田中将大投手の平均変化量](https://yakyumaru.com/wp-content/uploads/2021/01/田中将大投手の平均変化量.png)
![田中将大投手の平均変化量の表](https://yakyumaru.com/wp-content/uploads/2021/01/田中将大投手の平均変化量_表.png)
全体的にメジャー平均よりシュート方向に寄っている。
意外にもスプリット、スライダー、カーブはメジャー平均より変化していない。
![やきゅまる](https://yakyumaru.com/wp-content/uploads/2021/01/character_sports_baseball.png)
第11回 メジャー(MLB)右投手の平均リリースポイント・平均変化量
8. 軌道シミュレーション
軌道
![三塁側から見た軌道](https://yakyumaru.com/wp-content/uploads/2021/01/三塁側から見た軌道-1.png)
![上から見た軌道](https://yakyumaru.com/wp-content/uploads/2021/01/上から見た軌道-1.png)
![捕手目線の軌道](https://yakyumaru.com/wp-content/uploads/2021/01/捕手目線の軌道-1.png)
![捕手目線の軌道_ピッチトンネル](https://yakyumaru.com/wp-content/uploads/2021/01/捕手目線の軌道_ピッチトンネル-1.png)
リリースポイントが低く、頭に近いため、メジャー平均よりも全球種のピッチトンネルの差異が少ない。
特にストレート、ツーシーム、スプリット、スライダーの軌道が近いので、打者は球種を見分けづらい。
第12回 メジャー(MLB)右投手の軌道シミュレーション
![やきゅまる](https://yakyumaru.com/wp-content/uploads/2021/01/character_sports_baseball.png)
ストレートの軌道
![](https://yakyumaru.com/wp-content/uploads/2021/01/ストレートの軌道.png)
ツーシームの軌道
![メジャー平均との軌道比較(ツーシーム)](https://yakyumaru.com/wp-content/uploads/2021/01/ツーシームの軌道.png)
スプリットの軌道
![メジャー平均との軌道比較(スプリット)](https://yakyumaru.com/wp-content/uploads/2021/01/スプリットの軌道.png)
スライダーの軌道
![メジャー平均との軌道比較(スライダー)](https://yakyumaru.com/wp-content/uploads/2021/01/スライダーの軌道.png)
カーブの軌道
![メジャー平均との軌道比較(カーブ)](https://yakyumaru.com/wp-content/uploads/2021/01/カーブの軌道.png)
軌道シミュレーション
![田中将大投手の軌道シミュレーション(2020年)](https://yakyumaru.com/wp-content/uploads/2021/01/田中将大.gif)
![](https://yakyumaru.com/wp-content/uploads/2021/01/田中将大_ピッチトンネル.gif)
(トンネルポイントで一時停止)
0.02秒/1コマでメジャー(MLB)右投手の軌道シミュレーションで作成。
下はストレートのトンネルポイント地点の時間で一時停止したものである。
ストレートで止めているので、他の球種は実際のトンネルポイントとは差異がある点に注意。
![説明アナ](https://yakyumaru.com/wp-content/uploads/2021/01/job_sports_jikkyou.png)
後で修正するね
9. 打球の種類比率・リスク管理
![田中将大投手の打球の種類比率](https://yakyumaru.com/wp-content/uploads/2021/01/田中将大投手の打球の種類比率.png)
![田中将大投手のリスク管理](https://yakyumaru.com/wp-content/uploads/2021/01/田中将大投手のリスク管理.png)
ストレート
ゴロ率が一番低く、ラインドライブ率が一番高い。
意外と被打率のわりに空振り三振が多い。
ツーシーム
ゴロ率が高く、併殺打(複数アウト)の比率が高い。
空振り、見逃し三振が全くない。
スプリット
ゴロ率が一番高く、空振り三振率が一番多い。
スライダー
ゴロ率が高くなく、フライ率が高い。
空振り三振率が一番高い。
カーブ
サンプルが少ないので参考にならない。
10. まとめ
利き手 | 右 |
球種の豊富さ | ![]() |
制球力 | ![]() |
球速 | ![]() |
奪三振能力 | ![]() |
ピッチトンネル | ![]() |
ストレート | ![]() |
ツーシーム | ![]() |
スプリット | ![]() |
スライダー | ![]() |
カーブ | ![]() |
対左打者 | ![]() |
リリース近さ | ![]() |
リリース高さ | ![]() |
球持ち | ![]() |
今回は「田中将大投手の投球分析」を紹介しました。
制球力とリリースポイントが特徴的で、日本だと球速も速い方なので活躍してくれると思います。
今のスライダーにプラスして横に曲がるスライダーがあれば、右打者の被打率が改善出来そうです。
・四死球の少なさとWHIPは優秀
・スライダーとスプリットの投球割合が多く、ストレートの割合が少ない
・右打者にはスライダーの投球割合が多く、左打者にはスプリットが多い
・低めへの投球割合が多く、ボールゾーンの割合がメジャー平均より高い
・ストレートは決め球ではなく、見せ球とカウントを稼ぐために使用
・ツーシームは1ストライクから投げることが少し多い
・スプリット、スライダーは決め球だけでなく、カウントを取るボールとしても使用
・カーブは初球または2球目に投げることが多い
・ストレートの被打率が悪く、他の球種は右打者の被打率が悪い
・インハイとアウトローの被打率がとても低い
・ストレート、ツーシーム、スライダーはほぼメジャー平均
・スプリットはメジャー平均より3km/hくらい速く、ストレートとの差が少ない
・リリースポイントがメジャー平均と比べても15cm以上低く、10cm以上頭の方向に近い
・変化量は全体的にメジャー平均よりシュート方向に寄っている
・ストレート、ツーシーム、スプリット、スライダーの軌道が近い
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