第126回 【大谷翔平】スライダーが球速&ホップ成分増加で制球安定(2021年8月4日投球分析)
現地時間8月4日(日本時間5日)に敵地でのレンジャーズ戦に出場、投打のリアル二刀流の「2番投手」で先発しました。
投手としては6回4安打1失点、6奪三振無四死球の好投で6勝目。投打同時出場でメジャー通算10勝目。今季は16試合(16先発)に登板し6勝1敗、防御率2.93となりました。
打者としては3打数無安打で、外野の守備にはつきませんでした。
今回はそんな「大谷翔平投手の2021年8月4日投球分析」を紹介します。
データはBaseball Savantを使用します。過去の投球分析については下記を参照して下さい。
1. 左打者にスライダー
日別投球割合(2021年)
上図は2021年の登板日別の投球割合です。
5球種をバランスよく投球しており、ストレートの投球割合が今季1番少なかったです。
左右別投球割合
上は2021年、下は8月4日の左右別の投球割合です。
今回は右打者にはフォークを投げず、スラッターを多投していました。
左打者にはストレートの割合が減り、スライダーを多投していました。
回別投球割合
2回まではストレートの割合が高いですが、3回以降はスライダー、スラッター中心の投球でした。
2. スライダー、カーブが高速化
球速・回転数
8月4日のストレートは平均球速154.4km/h、最高球速159.6km/hでした。
スライダーの平均球速がほぼ3km/hも高速化していました。
またカーブの平均球速がほぼ3km/hも高速化していました。
フォークは回転数が500回転近く少なかったです。
回別平均球速
ストレートの球速は尻上がりに上昇して、4回以降は平均155km/h以上でした。
日別平均球速
上図は2021年の登板日別の平均球速です。
6月以降は平均154km/h前後で安定しています。
日別平均回転数(2021年)
全球種の登板日別の平均回転数です。
全球種が緩やかに回転数が減少傾向で、どこかで急に減少していません。特に粘着物質の取り締まり強化の報道が出た6月初旬以降に、急に回転数が減少していません。
開幕当初から緩やかに減少傾向なので、二刀流による疲労が主な原因ではないかと思います。
3. ストレートの被打率が良かった
対左右成績
左は2021年の平均、右が8月4日の対左右の成績です。
今回は左右であまり差がありませんでした。
球種成績
左は2021年の平均、右が8月4日の球種別被打率です。
ストレートの投球割合が減ったためか、ストレートの被打率が良かったです。
4 . スライダーのホップ成分が多かった
上図は「2021年の平均」、「今回(8月4日)」の変化量です。
回転数が500近く減った影響か、フォークの落差が大きいです。
横変化はいつも通りですが、スライダーはホップ成分が大きいです。そのため打者からすると、より真横に曲がる感覚なので打ちづらい軌道です。
5. ストレート、スライダーの球持ちが良い
上図は「2021年の平均」、「今回(8月4日)」のリリースポイントです。
ストレート、スライダーの球持ちが良く、これが制球の良さに繋がったと考えられます。
6. スラッター、スライダーの制球力が良かった
今回(8月4日)の球種ごとのベース上のボールの位置です。
ストレートのストライク率が高いです。
ただ、それ以上にスラッター、スライダーの制球が非常に良かったです。抜け球が一球もありませんでした。
まとめ
①左打者にスライダーを多投
②右打者にフォーク無し
③平均球速154.4km/h、最高球速159.6km/h
④球速は尻上がり
⑤スライダー、カーブが高速化
⑥スライダーのホップ成分増加
⑦スラッター、スライダーの制球力が抜群
今回は「大谷翔平投手の2021年8月4日投球分析」を紹介しました。
スライダーの球速がアップし、ホップ成分が増加して制球も出来ていました。
やはりスライダー、スラッターでカウントを取れるのは大きかったです。
かなり5球種のバランスが良かったので、次回登板も楽しみです。
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