第148回 【大谷翔平】ジャイロフォーク・スプリームの軌道シミュレーション
過去記事にも書きましたが、大谷翔平投手は今季終盤の2試合でいつもの「ジャイロ回転するフォーク」と、「スプリームのようなシュート回転するフォーク」の2種類のフォークを投げていました。
今回は「いつものジャイロフォーク」と「シュート回転するスプリーム」についての情報と軌道シミュレーションを紹介したいと思います。
握りとリリースは下記のツイートが分かりやすいので参考にして下さい。
データはBaseball Savantで、最終登板(2021年9月26日)のデータを使用します。過去の投球分析については下記を参照して下さい。
スプリームはシュート成分が多い
上の図は最終登板(2021年9月26日)のジャイロフォーク・スプリームの全変化量と、大谷翔平投手の2021年のストレート・フォークの平均変化量です。
ジャイロフォークの方がストレートの真下に変化しており、フォーク平均値に近いです。
一方、スプリームはシュート成分が多く、左打者から逃げていくような変化をしています。
どちらも球速はメジャーの中で速い方
上図は大谷翔平投手のフォーク平均球速・平均回転数(メジャー全投手との比較・2021年)です。
大谷翔平投手のジャイロフォークはメジャーの中でも速い方の141.3km/hですが、スプリームはさらに速くメジャー3位の平均144.6km/hです。
回転数に関しては、どちらもメジャー平均くらいです。
いつものジャイロフォークの方が変化量は特殊
上図は大谷翔平投手のフォーク変化量(メジャー全投手との比較・2021年)です。
大谷翔平投手のスプリームはメジャーの平均的な変化量です。一方、ジャイロフォークはメジャー平均よりシュート成分がかなり小さいです。
どちらのボールも落差は平均より大きいです。
全球種の軌道(2021年9月26日)
上図は最終登板(2021年9月26日)の全球種の軌道です。この日はカーブを投げていないので、カーブはありません。
他の4球種に比べるとスプリームは軌道が離れています。
軌道シミュレーション(2021年9月26日)
今回は3球種と5球種の軌道シミュレーションを作成しました。
ストレートとスプリームだけならば見分けられそうですが、球速差があまり無いので5球種だと見分けるのは困難です。
スプリームがあることで反対方向に曲がることも意識させられるので、打者にとっては厄介なボールと言えそうです。
まとめ
①スプリームはシュート成分が多い
②ジャイロフォークはストレートの真下に変化
③スプリームはメジャー3位の平均144.6km/h
④ジャイロフォークの方が変化量は特殊
⑤他4球種に比べるとスプリームは軌道が離れている
⑥5球種を見分けるのは困難
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