第263回 【横浜】2022年新外国人ロバート・ガゼルマン投手の投球分析

2022年7月16日、横浜DeNAベイスターズがシカゴ・カブス傘下3Aのロバート・ガゼルマン投手(28)と今季の選手契約を結ぶことに合意したと発表した。背番号は「70」。
メネズ投手はMLB通算180試合(先発34試合)に登板して、20勝18敗、防御率4.60を記録した先発・リリーフでの経験が豊富な右腕です。
今回はそんな「【横浜】2022年新外国人ロバート・ガゼルマン投手の投球分析」を紹介します。
Baseball SavantとFanGraphsのデータを使用します。
1. 基本情報
MLBでの経験豊富
所属球団 | ニューヨーク・メッツ (2016 – 2021) シカゴ・カブス (2022) |
ポジション | リリーフ・先発 |
投打 | 右投右打 |
生年月日 | 1993年7月18日(28歳) |
身長 | 193 cm |
体重 | 93 kg |
奪三振率、与四死球率が低い

2022年のMLBで8試合に登板し、2敗1S、防御率4.70とまずまずの成績です。
MLB通算では20勝18敗、防御率4.60、被打率.269、奪三振率7.1、与四死球率3.7です。
投手として特徴は150km/h前後のツーシーム中心にゴロを量産するグラウンドボーラーです。

2. 球種・投球割合
ツーシームが中心

年別の投球割合で、色が球種を表しています。
持ち球はストレート、ツーシーム、カットボール、チェンジアップ、カーブの5球種です。
どの年もツーシームが投球の半数を占めており、2022年はストレートが1球のみでした。

チェンジアップ、カーブはほぼ左打者のみ
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(2022年)
2022年の左右別投球割合で、色が球種を表しています。
チェンジアップ、カーブはほぼ左打者のみにしか投球しておらず、右打者にはその分ツーシーム、カットボールの割合が増えます。

3. コース
真ん中付近が多い
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(2016-2022年)
ストレート、ツーシーム、カーブは真ん中付近が多いです。
カットボールは右打者のアウトロー(左打者のインロー)への投球が多いです。
チェンジアップは左打者のアウトローへの投球が多いです。

左打者のインコース〇
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(2016-2022年)
左打者へのインコースの成績が良いです。
一方、右打者はアウトロー、インローの成績が良いです。

4. 各成績
左右差はそれほど無い
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(2016-2022年)
左右差はあまり無いです。
ただ、左打者の方が被打率が低いですが、被OPSが高いです。

ピンチに弱い
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(2016-2022年)
得点圏の被打率.286、被OPS.804と高く、対ピンチに弱いです。
初球×
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(2016-2022年)
初球、0ストライク、1ストライクの成績が悪いです。
カウント球に課題がありそうです。
グラウンドボーラー
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(2016-2022年)
上図は球種ごとの被打球種類比率です。
ゴロ率が50%とMLB平均より高いことからグラウンドボーラーと言えます。
特にツーシームはゴロ率54%とゴロを量産してます。
カットボールが優秀
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(2016-2022年)
左はOPSのグラフ、右は空振り率などのグラフ、下は球種別の成績です。
投球割合が高いツーシームは被打率が高いです。
カットボールは空振り率が高く、被打率と被OPSが低くて優秀です。
チェンジアップは投球数が多い左打者の被打率と被OPSが低くて優秀です。
カーブは右打者の方が被打率と被OPSが低いです。

5. リリースポイント
リリース位置が体に近く、低い
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(2022年)
左図は捕手目線、右図は三塁側から投手を見たリリースポイントです。△はMLB平均のリリースポイントです。
MLB平均よりリリースは約10cm体に近く、低いです。
球持ちはMLB平均くらいです。
6. 球速と回転数
ツーシームは平均球速149.1km/h、最高153.2km/h
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(2022年)
上図は球種別の平均球速と回転数のグラフで、△はMLB平均を表しています。
ツーシームの平均球速は149.1km/hでMLB平均くらいです。回転数は1934回転とかなり少ないです。
カットボールとチェンジアップの球速はMLB平均くらいで、回転数は平均より少ないです。
カーブはMLB平均より速く、回転数は平均くらいです。

150km/h前後は期待出来る

2016年からずっと平均球速は150km/h前後で、直近の2022年も球速低下は見られません。
回転数は調子が悪かった2021年は回転数を落としていますが、直近の2022年は2039回転です。

7. 変化量
ツーシームは変化量大
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(2022年)
上図は捕手側から見た球種別の変化量で、△はMLB平均を表しています。
ストレートはシュート気味でノビがないです。
ツーシームはシュート成分が多く、落差も大きいので、縦横に変化量が大きいです。
カットボールは横変化量が少なく、縦に沈むボールです。スプリットに近い変化量です。
チェンジアップはシュート成分が多いです。
カーブはやや横変化量が多いくらいです。

8. 軌道
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(2022年)

まとめ

①MLB通算防御率4.6
②奪三振率7.1、与四死球率3.7と低い
③持ち球は5球種
④半数がツーシーム
⑤初球×
⑥左のインコース〇
⑦ピンチに弱い
⑧グラウンドボーラー
⑨ツーシームの平均球速149.1km/h、最高153.2km/h
⑩ツーシームは変化量大
⑪カットボールは縦に沈むボール
⑫チェンジアップはシュート成分が多い
今回は「【横浜】2022年新外国人ロバート・ガゼルマン投手の投球分析」を紹介しました。
MLB通算では20勝18敗、防御率4.60、被打率.269、奪三振率7.1、与四死球率3.7です。
投手として特徴は150km/h前後のツーシーム中心にゴロを量産するグラウンドボーラーです。
ツーシームの平均球速は149.1km/h、回転数は1934回転とかなり少ないです。変化量はシュート成分が多く、落差も大きいので、縦横に変化量が大きいです。
カットボールは回転数が少なく、横変化量が少ない縦に沈むボールです。スプリットに近い変化量です。そのため空振り率が高く、被打率と被OPSが低くて優秀です。
チェンジアップは左打者への投球が多くて被打率の低い、シュート成分が多いボールです。
カーブは左打者への投球が多いですが、右打者の方が被打率と被OPSが低いです。

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