第287回 【大谷翔平】史上初W規定&5回6K1安打でも9敗目(2022年10月5日投球分析)
2022年10月5日、大谷翔平投手(28)が今季最終戦となる敵地オークランド・コロシアムでのアスレチックス戦に「3番・投手兼DH」で投打同時出場。
5回を投げて69球、被安打1、四死球1、奪三振6、失点1で9敗目。
またしても5回1死まで完全投球の快投を披露しましたが、次第にマメを気にすることが増えてました。その後、四球→二塁打→犠牲フライで1点を失い、まさかの被安打1で負け投手になりました。
しかし、今回で投手の「規定投球回(162回)」に到達、打者の「規定打席(502打席)」はすでに到達していたので、史上初のW規定を達成しました。
投球内容としてはキャリアハイの平均球速158.8km/hでしたが、マメの影響でストレートが4球のみ。そのためツーシーム、カットボール、スライダーを中心とした投球でした。
今回はそんな「大谷翔平投手の2022年10月5日投球分析」を紹介します。
データはBaseball SavantとFanGraphsのデータを使用します。
1. 球種・投球割合
ツーシームとカットボールとスライダーを多投
今回はストレート、ツーシーム、フォーク、カットボール、縦スラ、スライダー、カーブの7球種を投球しました。
マメの影響でストレートが4球のみ、そのためツーシーム、カットボール、スライダーを中心とした投球でした。
スプリームは投げませんでした。
※当ブログでは「第二のスプリットをスプリーム」と呼称しています。詳細は過去記事を参照して下さい。
左打者にもツーシーム
上は前回登板までの2022年平均、下は今回の左右投球割合です。
前回までツーシームは主に右打者に投球していましたが、ツーシームを左打者にも投球しました。
2. コース
右打者からスライダーで空振り量産
やはりスライダーは右打者から空振りを奪っています。
一方、左打者から2つしか空振りを奪えませんでした。これは前回空振りを多く奪った縦スラが少なかったためと考えられます。
3. 各成績
安打1本のみ
上図は今回、前回登板までの2022年平均、MLB右投手平均の左右別被OPSです。
打たれたの右打者に打たれた二塁打の1本のみでした。
ゾーン内を攻めた
全体でストライク率65%(前回68%) 、ゾーン内率59%(前回45%)と、前回からストライク率はあまり変わらないにも関わらず、ゾーン内率が大きく上昇しています。つまり、それだけゾーン内を攻めたと言えます。
空振りは13個(前回18個)と、かなり増加しました。
4. リリースポイント
縦スラのリリース位置が高い
左図は捕手目線、右図は三塁側から投手を見たリリースポイントです。◇は2022年平均、△はMLB平均です。
スライダーなどより縦スラはリリース位置が高いです。
5. 球速と回転数
平均球速158.8km/h、最高160.3km/h
上図は球種別の平均球速と回転数のグラフで、◇は2022年平均、△はMLB平均を表しています。
ストレートはキャリアハイとなる平均球速158.8km/h、最高球速160.3km/h、回転数は2098回転でした。
縦スラはスライダーより球速が速いです。
キャリアハイの平均球速、今季最低の回転数
ストレートは平均球速158.8km/hで、キャリアハイの平均球速でした。
回転数も2098回転と今季最低でした。
縦スラはスライダーより球速が速い
ストレートは4~5回は平均球速160km/h前後で、尻上がりに球速があがりました。
1回から5回まで縦スラはスライダーより球速が速かったです。
6. 回転軸と変化量
回転軸
上図は捕手側から見た球種別の回転軸の向きで、◇は2022年、点線はMLB平均を表しています。数値は回転数で、中心から離れるほど回転数が多くなります。
ストレートがシュート気味
上図は捕手側から見た球種別の変化量で、◇は2022年、△はMLB平均を表しています。
いつもは真っスラ気味のストレートはシュート気味でした。
ツーシームはMLB平均よりも変化量が大きいです。特に縦変化量が大きいです。
いつもに比べるとカットボールと縦スラの変化量が安定していました。
まとめ
①ストレート4球のみ
②左打者にもツーシーム
③スライダーで右から空振り量産
④ゾーン内率が高い
⑤縦スラのリリース位置が高い
【ストレート】
平均球速158.8km/h(キャリアハイ)
最高160.3km/h
平均2098回転
ホップ量34cm、シュート成分17cm
今回は「大谷翔平投手の2022年10月5日投球分析」を紹介しました。
5回を投げて69球、被安打1、四死球1、奪三振6、失点1で9敗目。
またしても5回1死まで完全投球の快投を披露しましたが、次第にマメを気にすることが増え、まさかの被安打1で負け投手になりました。
投球内容としてはキャリアハイの平均球速158.8km/hでしたが、マメの影響でストレートが4球のみ。そのためツーシーム、カットボール、スライダーを中心とした投球でした。
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