第386回 【大谷翔平】7回1失点12K好投も3敗目(2023年6月21日投球分析)
2023年6月21日(日本時間6月22日)、大谷翔平投手(28)が本拠地エンゼルスタジアムでのドジャース戦に「2番・投手兼DH」で投打同時出場。
7回を投げて101球、被安打5、四死球2、奪三振12、失点1と好投も3敗目。
ストレートの平均球速155.6km/hと球速は出ていませんでしたが球威がありました。また制球が抜群でストライク率75%、空振り20個と圧倒的な投球でした。
これで被打率.179はMLB1位、奪三振率11.8はア・リーグ2位となりました(6月21日時点)。
今回はそんな「大谷翔平投手の2023年6月21日投球分析」を紹介します。
データはBaseball SavantとFanGraphsのデータを使用します。
1. 球種・投球割合
ストレート今季最多50%、縦スラ今季最多19%
今回はストレート、ツーシーム、フォーク、カットボール、縦スラ、スライダー、カーブの7球種を投球しました。
ストレートは今季最多50%、縦スラは今季最多19%を投球しました。
今回はスプリームは投球しませんでした。
あまりに多彩すぎてトラックマンデータも球種を誤判定していたので、握りで球種を再判別しました。
大谷翔平投手本人が語ってるようにMLB公式の球種判別は間違っていることがあるみたいです。
※当ブログでは握りが違う「第二のスプリットをスプリーム」と呼称しています。詳細は過去記事を参照して下さい。
左打者にスライダーなし
上は2022年、下は今回の左右投球割合です。
右打者にはストレートを多投しました。
左打者にスライダーは投球せず、カットボールを多投しました。
4回まで縦スラ、5回以降はカットボールを多投
4回まで縦スラ、5回以降はカットボールを多投しました。
また9球以下が3回もあり、テンポが良い投球でした。
2. コース
右打者のインハイ、左打者のインローを攻めた
いつもは少ない右打者のインハイに色んな球種を投球しました。
左打者にはインローを多投していました。
3. 対左右成績
左右関係なく奪三振
上図は今回、2023年、MLB右投手平均の左右別被OPSです。
右打者から7奪三振、左打者から5奪三振と左右関係なく三振を奪いました。
4. 球種成績
空振りが20個に増加
全体でストライク率75%(MLB平均64.2%) 、ゾーン内率60%(MLB平均48.5%)と、ゾーン内率が高くストライク率が非常に高かったです。
前回から空振りは5球→20球と増加しましたが、シーズン平均が14個なのでかなり空振りが多かったです。
5. リリースポイント
今回はスライダーは横からのみ
左図は捕手目線、右図は三塁側から投手を見たリリースポイントです。◇は2022年平均、△はMLB平均です。
2022年よりリリース位置が体に近く低いです。また球持ちが良かったです。
今回はスライダーを上から投げず、横からのみでした。
6. 球速と回転数
平均球速155.6km/h、最高161.4km/h
上図は球種別の平均球速と回転数のグラフで、◇は2022年平均、△はMLB平均を表しています。
ストレートは平均球速155.6km/h、最高球速161.4km/h、回転数は2221回転でした。
平均球速155.6km/hと今季平均以下
上は登板日別の平均球速と回転数の図です。
ストレートの平均球速155.6km/hは今季平均以下でした。
回転数も2221回転と今季最低に近かったです。
終盤まで球速維持
上は球種ごとの回別平均球速です。
1回は平均155.6km/h、7回は平均155.1km/hと終盤まで球速を維持してました。
7. 回転軸と変化量
回転軸
上図は捕手側から見た球種別の回転軸の向きで、◇は2022年、点線はMLB平均を表しています。数値は回転数で、中心から離れるほど回転数が多くなります。
ストレートがシュート
上図は捕手側から見た球種別の変化量で、◇は2022年、△はMLB平均を表しています。
ストレートはシュート成分が多かったです。
縦スラは変化量が不安定です。
スライダー(スイーパー)は平均横変化量が33cmと、いつもより横変化量が小さかった。
まとめ
①被打率.179はMLB1位
②スプリームは投球無し
③7球種(握りで球種を判定)
④ストレートは今季最多50%、縦スラ今季最多19%
⑤左打者にスライダー0、カットボール多投
⑥4回まで縦スラ、5回以降はカットボールを多投
⑦右打者にインハイ、左打者にインロー多投
⑧ストライク率75%と非常に高い(MLB平均64%)
⑨空振り20個(前回5個)
⑩今回はスライダーを上から投げなかった
⑪終盤まで球速維持
⑫ストレートはシュート成分多い
⑬スライダーの横変化量が小さい
【ストレート】
平均球速155.6km/h
最高161.4km/h
平均2221回転
ホップ量36cm、シュート成分17cm
今回は「大谷翔平投手の2023年6月21日投球分析」を紹介しました。
7回を投げて101球、被安打5、四死球2、奪三振12、失点1と好投も3敗目。
ストレートの平均球速155.6km/hと球速は出ていませんでしたが球威がありました。また制球が抜群でストライク率75%、空振り20個と圧倒的な投球でした。
負けはしましたが圧倒的な投球だったので、次回登板予定のホワイトソックス戦が楽しみです。
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