第71回 【ダルビッシュ有】カットボールは3種類?
ダルビッシュ有投手のチェンジアップも分類出来たので、投球分析をしようと思ったんですが、今回はその前段階としてカットボールについて考察したのをご紹介します。
使用するのは2020年のBaseball Savantのトラックマンデータです。
第70回 ダルビッシュ有投手はチェンジアップを投げていない?
1. ダルビッシュ有投手のカットボールは3種類?
上の図は2020年のダルビッシュ投手とメジャー平均の変化量の図です。カットボールを見ると、次の3グループに分けられそうです。
①ハードカッター (赤丸)
②スラッター (青丸)
③??? (白丸)
まず、浮き上がるような「ハードカッター」とスライダーに近い「スラッター」は、よく記事にされているので簡単に分類出来ました。
謎なのはスプリットに近い変化をする「第3のカットボール」です。これについては調べてもそれっぽい記事が全くありませんでした。
2. 「第3のカットボール」の正体は?
変化量で分類したカットボールの球速と回転数の図を作成しました。
ビックリすることに、変化量で分類したにも関わらず、球速と回転数の図でも3グループにキレイに分かれています。そして、他の2種よりも「第3のカットボール」は回転数が少ないです。そのため、回転数が少ないカットボールということで「第3のカットボール」を「ソフトカッター」と当ブログでは呼ぶことにします。
この「ソフトカッター」ですが、スプリット並に回転数が少ないです。
3. 「ソフトカッター」は最も空振りが獲れる球種!
ダルビッシュ投手の球種別の空振り率は、10球種中9球種がメジャー平均以上ですが、その中でも「ソフトカッター」は最も空振り率が高いです。
4. まとめ
①変化量でカットボールを3分類
②球速と回転数との整合性
③第3のカットボール「ソフトカッター」
④「ソフトカッター」は最も空振りが獲れる球種
今回、変化量からダルビッシュ投手のカットボールを3つに分類しました。
その結果、球速と回転数と整合性がありました。回転数が少ない第3のカットボール「ソフトカッター」は、最も空振りが獲れる球種でした。
そもそも「ソフトカッター」は意図的なのか、偶然なのかは分かりませんが、40球も投げています。ハードカッター54球、チェンジアップ45球、カーブ45球であることを考えると、偶然にしては多すぎます。
しかし、回転数が少ないカットボールを投げるなんて聞いたことが無いので謎です。
余談ですが、本当は細かいチューニングをして、3球種以上のカットボールを投げてるみたいです。
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