第100回 【球種分析】ナックルは本当に無回転でランダム変化なのか?(トラックマンデータで検証)

2021年11月22日

7. ナックルボーラーの投球割合は8~9割がナックル

ナックルボーラーの投球割合
ナックルボーラーの投球割合

上図は「ディッキー投手」「ライト投手」の投球割合です。
「ディッキー投手」は86%「ライト投手」は88%がナックルまたはスローナックルでした。

やきゅまる
やきゅまる
全球ナックルなのかと思ってたけど、1割はストレートを投げるんだね

8. ナックルボーラーのリリースは独特

ディッキー投手のリリースポイント
ディッキー投手のリリースポイント
ライト投手のリリースポイント
ライト投手のリリースポイント

上図は「ディッキー投手」「ライト投手」のリリースポイントです。

2人ともナックルだけだなく、全球種のリリースポイントが頭にかなり近く、球離れが早いです。

やきゅまる
やきゅまる
ナックルを投げる時は顔の前で投げると良いのかもね

9. ナックルの軌道

ナックルボーラーの軌道
ナックルボーラーの軌道

上図は「ディッキー投手」「ライト投手」の軌道です。ナックルの軌道は平均で、青色の点線までランダムで変化します。

メジャー平均のストレートと比べると、ナックルの軌道はかなり離れていて独特です。

やきゅまる
やきゅまる
ベースの正面から押し出すイメージだね

10. まとめ

まとめ

①ナックルボーラーは絶滅危惧種
②ナックルは広範囲にランダム変化
③ナックルの回転数はほぼ測定不能
④回転があるとストレートやツーシームに近い変化
⑥ナックルの投球割合は8~9割
⑦ナックルボーラーのリリース、軌道は独特

今回は「ナックルの球種分析」を紹介しました。

予想以上にナックルは広範囲にランダム変化していて、特にストレート並みに伸びることがあるのが意外でした。

トラックマンでは回転数がほぼ測定不能だったのは残念です。

ナックルのリリースと軌道は独特なので、もしナックルを投げたい人は普段とは違うフォームで練習する必要がありそうです。

11.おまけ:映像では無回転

オリオールズのミッキー・ジャニス選手が6日(日本時間5日)のタイガース戦で投じたナックルを右側から追った映像です。ボールは無回転。くっきり映った縫い目も、ほとんど位置が変わっていないのが分かります。