第300回 【阪神】2023年新外国人ジェレミー・ビーズリー投手の投球分析

2023年2月9日

ジェレミー・ビーズリー投手の総評
ジェレミー・ビーズリー投手の総評

2022年11月19日、阪神が新外国人選手としてパイレーツ傘下3Aのジェレミー・ビーズリー投手(27)を獲得調査していると複数の報道機関で報道されました。

その後、12月13日に阪神が来季の選手契約を締結したと発表しました。推定年俸は80万ドル(約1億880万円)で、背番号は「99」。

ビーズリー投手は2021年と2022年前半ブルージェイズでプレーしたリリーフ投手で、ビのあるストレート、落差の大きいスプリット、スイーパータイプのスライダー高い奪三振率を誇るリリーフピッチャーです。

今回はそんな「【阪神】2023年新外国人ジェレミー・ビーズリー投手の投球分析」を紹介します。

Baseball SavantFanGraphsのデータを使用します。

2023年新外国人の記事一覧

1. 基本情報

高い奪三振率誇るリリーフ

所属球団ダイヤモンドバックス (2020)
ブルージェイズ (2021-2022)
ポジションリリーフ、先発
投打右投右打
生年月日1995年11月20日(27歳)
身長189 cm
体重107 kg
基本情報

奪三振率が高い

ジェレミー・ビーズリー投手の年度別成績
ジェレミー・ビーズリー投手の年度別成績

2022年の今季3Aで20試合に登板して2勝1敗1S、防御率2.61被打率.165奪三振率10.2与四死球率3.1と活躍しています。

MLB通算では18試合で1敗、防御率5.84被打率.245奪三振率12.0与四死球率6.6です。

フライ率47.6%(MLB平均23.1%)と高いフライボーラーです。そのため長打を打たれやすいので被OPSが高いです。

投手として特徴は「球速が速くビのあるストレート」「落差の大きいスプリット」「横変化量が大きいスライダー」「奪三振が多い」「被フライが多い」などがあげられます。

やきゅまる
やきゅまる
2022年はMLBと3Aのどちらも与四死球率が改善されてるのは期待出来るね

2. 球種・投球割合

持ち球は3球種

ジェレミー・ビーズリー投手の年別投球割合(MLB2020-2022年)
ジェレミー・ビーズリー投手の年別投球割合
(MLB2020-2022年)

持ち球はストレートスプリットスライダーの3球種です。

年々スプリットの割合が減少しています。これは後述するスプリットのストライク率の低さが理由として考えられます。

右にスライダーを多投

ジェレミー・ビーズリー投手の左右投球割合(MLB2020-2022年)
ジェレミー・ビーズリー投手の左右投球割合
(MLB2020-2022年)

上図は左右別投球割合で、色が球種を表しています。

右打者に対してはスライダーの割合が高く、左打者にはその分ストレートスプリットの割合が増えます。

やきゅまる
やきゅまる
左右ともに半分以上がストレート

ボールが先行するとストレート

ジェレミー・ビーズリー投手のカウント状況別投球割合(MLB2020-2022年)
ジェレミー・ビーズリー投手のカウント状況別投球割合
(MLB2020-2022年)

右打者には3球種をバランスよく決め球に使用していて、左打者にはスライダーが減ってストレートの割合が増えます。

左右ともにボールが先行するとストレートの割合が増えています。このことからストレートが一番制球に自信があるみたいです。

やきゅまる
やきゅまる
追い込むまではスプリットを投げないね

3. コース

ストレートは高め

ジェレミー・ビーズリー投手のベース上の位置(MLB2020-2022年)
ジェレミー・ビーズリー投手のベース上の位置
(MLB2020-2022年)

ストレート高めへの投球が多く、空振りが多いです

スプリットはゾーン左下への投球が多く、空振りが多いです。

スライダーはゾーン右下への投球が多く、空振りが多いです。

やきゅまる
やきゅまる
ちょっとスプリットとスライダーがゾーン内に少ないね

高め〇

ジェレミー・ビーズリー投手のコース別成績(MLB2020-2022年)
ジェレミー・ビーズリー投手のコース別成績
(MLB2020-2022年)

左右ともに高めへの投球が良いですが、左打者に対してはアウトハイだけは打たれています。

やきゅまる
やきゅまる
ノビるから高めが有効だね

4. 各成績

対左打者○

ジェレミー・ビーズリー投手の対左右成績(MLB2020-2022年)
ジェレミー・ビーズリー投手の対左右成績
(MLB2020-2022年)

右打者に比べると左打者の被打率.231被OPS.795左打者に強いです。

ただし、今季3Aでは右打者の被打率.139と対右打者の方が成績が良かったです。

やきゅまる
やきゅまる
対左打者に強いのはいいね

対ピンチに弱い

ジェレミー・ビーズリー投手の得点圏成績(MLB2020-2022年)
ジェレミー・ビーズリー投手の得点圏成績
(MLB2020-2022年)

得点圏の被打率.333被OPS1.025と高く、対ピンチに弱いです。

3球種とも空振りを奪える

ジェレミー・ビーズリー投手の球種別成績(MLB2020-2022年)
ジェレミー・ビーズリー投手の球種別成績
(MLB2020-2022年)

左はOPSのグラフ、右は空振りなどのグラフ、下は球種別の成績です。

空振り率15%以上と3球種とも空振りを奪えるボールです。

スプリットはゾーン内率21%と低いので見逃しでストライクが取れていません。

そのため全体のゾーン内率44%と低く、ストライク率は60%しかありません。

やきゅまる
やきゅまる
スプリット、スライダーをもう少しゾーン内に投げたいね

5. リリースポイント

7月からリリース位置変化

ジェレミー・ビーズリー投手のリリースポイント(MLB2022年)
ジェレミー・ビーズリー投手のリリースポイント
(MLB2022年)

左図は捕手目線、右図は三塁側から投手を見たリリースポイントです。△はMLB平均のリリースポイントです。

もともとはリリース位置がMLB平均より一塁側でしたが、2022年7月からはリリース位置が大きく三塁側に移動しています。これはプレートの踏む位置を変えているためです。

球持ちは平均的です。

6. 球速と回転数

平均球速153.2km/h、最高157.1km/h

ジェレミー・ビーズリー投手の球速・回転数(MLB2020-2022年)
ジェレミー・ビーズリー投手の球速・回転数
(MLB2020-2022年)

上図は球種別の平均球速と回転数のグラフで、△はMLB平均を表しています。

ストレート平均球速は153.2km/hでMLB平均(149.4km/h)よりも速く、ほとんどがNPB平均よりも速かったです。また回転数は2462回転とMLB上位の回転数です。

スプリットも平均球速はMLB平均以上ですが、回転数は1140回数と少ないです。

スライダーはMLB平均とNPB平均の間くらいで、回転数はやや多いです。

やきゅまる
やきゅまる
キレがありそうだね

平均150km/h以上は期待出来る

ジェレミー・ビーズリー投手の年別平均球速・回転数
ジェレミー・ビーズリー投手の年別平均球速・回転数

2020年は平均球速147.7km/hでしたが、ブルージェイズに移籍した2021年からは平均球速153km/h前後でした。また回転数も2年連続で2500回転前後です。

やきゅまる
やきゅまる
少なくとも平均150km/h以上の球速は期待出来そう

7. 変化量

回転軸

ジェレミー・ビーズリー投手の回転軸(MLB2020-2022年)
ジェレミー・ビーズリー投手の回転軸
(MLB2020-2022年)

上図は捕手側から見た球種別の回転軸の向きで、点線はMLB平均を表しています。数値は回転数で、中心から離れるほど回転数が多くなります。

スライダーの回転軸がトップスピンに近いです。

シュートライズ、スライダーは横変化量大

ジェレミー・ビーズリー投手の変化量(MLB2020-2022年)
ジェレミー・ビーズリー投手の変化量
(MLB2020-2022年)

上図は捕手側から見た球種別の変化量で、△はMLB平均を表しています。

ストレートは縦変化量が44cmとMLB平均以上でシュートライズです。

スプリットはMLB平均くらいの変化量ですが、ストレートとの落差は大きいです。ただし、変化量が不安定です。

スライダーは大谷翔平投手と同じスイーパータイプで、横変化量32cmと横に大きく曲がるスライダーです。

やきゅまる
やきゅまる
3球種とも変化量は良い感じだね

まとめ

ジェレミー・ビーズリー投手の総評
ジェレミー・ビーズリー投手の総評
まとめ

①今季3Aで防御率2.61、被打率.165
②奪三振率が高い
③被本塁打が多い
④フライ率47.6%(MLB平均23.1%)
⑤持ち球は3球種
⑥年々スプリットの割合が減少
⑦スライダーは右打者に多投
⑧ボール先行するとストレート多投
⑨対左打者○
⑩ピンチに弱い
⑪3球種とも空振り率15%以上
⑫7月からリリース位置が変化
⑬平均球速153.2km/h、最高157.1km/h
⑭ストレートは回転数が多く、シュートライズ
⑮スプリットは変化量不安定
⑯スライダーは横変化量大

ビーズリー投手は2021年と2022年前半ブルージェイズでプレーしたリリーフ投手で、ビのあるストレート、落差の大きいスプリット、スイーパータイプのスライダー高い奪三振率を誇るリリーフピッチャーです。

2022年の今季3Aで20試合に登板して2勝1敗1S、防御率2.61被打率.165奪三振率10.2与四死球率3.1と活躍しています。

MLB通算では18試合で1敗、防御率5.84被打率.245奪三振率12.0与四死球率6.6です。

フライ率47.6%(MLB平均23.1%)と高いフライボーラーです。そのため長打を打たれやすいので被OPSが高いです。

投手として特徴は「球速が速くビのあるストレート」「落差の大きいスプリット」「横変化量が大きいスライダー」「奪三振が多い」「被フライが多い」などがあげられます。

やきゅまる
やきゅまる
ゾーン内でストライクが取れる球種が欲しいね