第309回 【千葉ロッテ】2023年新外国人ルイス・カスティーヨ投手の投球分析

2023年2月9日

ルイス・カスティーヨ投手の総評
ルイス・カスティーヨ投手の総評

2022年12月14日、千葉ロッテが新外国人選手として前デトロイト・タイガースのルイス・カスティーヨ投手(27)と来季の選手契約を締結したと発表。

ルイス・カスティーヨ投手はドミニカ共和国代表で東京五輪にも出場していたサイドスロー気味のリリーフです。

今回はそんな「【千葉ロッテ】2023年新外国人ルイス・カスティーヨ投手の投球分析」を紹介します。

Baseball SavantFanGraphsのデータを使用します。

2023年新外国人の記事一覧

やきゅまる
やきゅまる
MLBデータが少ないので3Aデータ多め

1. 基本情報

サイドスロー気味のリリーフ

所属球団デトロイト・タイガース (2022)
ポジションリリーフ
投打右投右打
生年月日1995年3月10日(27歳)
身長190.5 cm
体重96.2 kg
基本情報

ゴロ率上昇で成績良化

ルイス・カスティーヨ投手の年度別成績
ルイス・カスティーヨ投手の年度別成績
ルイス・カスティーヨ投手の被打球種類(3A2021-2022年)
ルイス・カスティーヨ投手の被打球種類
(3A2021-2022年)

MLB通算で3試合に登板して防御率0.00被打率.143奪三振率9.8与四死球率0.0です。

今季3Aでは40試合に登板して0先発、防御率1.74被打率.252奪三振率8.5与四死球率2.6でした。また3A通算でフライ率が28%(MLB平均23%)と高いフライボーラーです。ただし今季はゴロ率が52%に上昇して成績を向上しました。

投手としての特徴は「サイド気味のリリース」「変化球の変化量が大きい」「フライ率が高い」「被本塁打が少ない」などがあげられます。

やきゅまる
やきゅまる
フライ率は高いわりには被本塁打は少ない

2. 球種・投球割合

持ち球は4球種

ルイス・カスティーヨ投手の左右投球割合(MLB2022年)
ルイス・カスティーヨ投手の左右投球割合
(MLB2022年)

上図は左右別投球割合で、色が球種を表しています。

持ち球はストレートツーシー厶チェンジアップスライダーの4球種です。

右打者にスライダーを多投し、左打者にツーシー厶チェンジアップを多投しています。

やきゅまる
やきゅまる
左打者にツーシームを多投するタイプ

4球種とも決め球

ルイス・カスティーヨ投手のカウント状況別投球割合(MLB2022年)
ルイス・カスティーヨ投手のカウント状況別投球割合
(MLB2022年)

4球種ともカウント球としても決め球としても使用しています。

やきゅまる
やきゅまる
左右で投球内容が異なる

3. コース

アウトロー中心

ルイス・カスティーヨ投手のベース上の位置(MLB2022年)
ルイス・カスティーヨ投手のベース上の位置
(MLB2022年)

左右ともにアウトロー中心です。特に右打者へのスライダーは徹底されています。

ただストレートは高めに浮くことも多く、チェンジアップはボールゾーンへの投球になっています。

やきゅまる
やきゅまる
右打者のインコースにストレートかツーシームが投げたいね

4. 各成績

左打者への四死球が多い

ルイス・カスティーヨ投手の対左右成績(3A2021-2022年)
ルイス・カスティーヨ投手の対左右成績
(3A2021-2022年)

MLBは打数が少ないので3Aの通算成績です。

被打率が低いですが、左打者の方が奪三振率と与四死球率が悪いです。

これは後述するチェンジアップの制球が原因と考えられます。

対ピンチに強い

ルイス・カスティーヨ投手の得点圏成績(3A2021-2022年)
ルイス・カスティーヨ投手の得点圏成績
(3A2021-2022年)

MLBは打数が少ないので3Aの通算成績です。

得点圏の被打率.229被OPS.722と低く、対ピンチに強いです。

ただ与四死球率は上昇しています。

やきゅまる
やきゅまる
ピンチに強いのはいいね

チェンジアップの制球が課題

ルイス・カスティーヨ投手の球種別成績(MLB2022年)
ルイス・カスティーヨ投手の球種別成績
(MLB2022年)

左はOPSのグラフ、右は空振りなどのグラフ、下は球種別の成績です。

チェンジアップはゾーン内率0%と低く、ストライク率も低いことから制球に課題があります。

全体のゾーン内率38%と低いですがストライク率は63%あるので、ツーシー厶スライダーを中心にボール球を上手く振らせています

やきゅまる
やきゅまる
打数が少ないから参考程度だね

5. リリースポイント

リリースがほぼサイドスロー

ルイス・カスティーヨ投手のリリースポイント(MLB2022年)
ルイス・カスティーヨ投手のリリースポイント
(MLB2022年)

左図は捕手目線、右図は三塁側から投手を見たリリースポイントです。△はMLB平均のリリースポイントです。

全体的にMLB平均よりリリースは約20cm三塁側約30cm低くサイドスロー気味です。

球持ちは普通です。

6. 球速と回転数

平均球速150.5km/h、最高152.6km/h

ルイス・カスティーヨ投手の球速・回転数(MLB2022年)
ルイス・カスティーヨ投手の球速・回転数
(MLB2022年)

上図は球種別の平均球速と回転数のグラフで、△はMLB平均を表しています。

ストレート平均球速は150.5km/hとNPB平均よりも速く、回転数は1990回転と回転数が非常に少ないです。

ツーシームも同様の傾向です。

チェンジアップは平均142.0km/hと高速で、回転数が少ないです。

スライダーもMLB平均より遅く、回転数が少ないです。

やきゅまる
やきゅまる
チェンジアップは球速と回転数がいいね

7. 変化量

回転軸

ルイス・カスティーヨ投手の回転軸(MLB2022年)
ルイス・カスティーヨ投手の回転軸
(MLB2022年)

上図は捕手側から見た球種別の回転軸の向きで、点線はMLB平均を表しています。数値は回転数で、中心から離れるほど回転数が多くなります。

スライダーの回転軸はカーブに近いです。

チェンジアップスライダーは縦変化量大

ルイス・カスティーヨ投手の変化量(MLB2022年)
ルイス・カスティーヨ投手の変化量
(MLB2022年)

上図は捕手側から見た球種別の変化量で、△はMLB平均を表しています。

ストレートはシュート成分26cmで縦変化量28cmしかないツーシームみたいなシュートドロップです。

ツーシーム横変化量が小さいです。

チェンジアップはMLB平均より縦変化量が大きいです。

スライダー縦変化量が大きいです。

やきゅまる
やきゅまる
チェンジアップは高速で変化量が大きいから制球だけが課題

まとめ

ルイス・カスティーヨ投手の総評
ルイス・カスティーヨ投手の総評
まとめ

①今季3Aで40試合、防御率1.74、被打率.252、奪三振率8.5、与四死球率2.6
②被本塁打が少ない
③フライボーラー
⇒フライ率28%(MLB平均23%)
④ゴロ率上昇(35%→52%)で成績良化
⑤持ち球は4球種
⑥右にスライダー、左にツーシー厶とチェンジアップを多投
⑦投球はアウトロー中心
⑧左打者への四死球が多い(与四死球率15%)
⑨対ピンチ○(3Aで得点圏.229)
⑩チェンジアップは制球が課題(ゾーン内率0%)
⑪サイドスロー気味のリリース
⑫平均球速150.5km/h、最高152.6km/h
⑬ストレートは回転数が少なくシュートドロップ
⑭チェンジアップは平均142km/hと高速で縦変化量大
⑮スライダーは縦変化量大

ルイス・カスティーヨ投手はドミニカ共和国代表で東京五輪にも出場していたサイドスロー気味のリリーフです。

MLB通算で3試合に登板して防御率0.00被打率.143奪三振率9.8与四死球率0.0です。

今季3Aでは40試合に登板して0先発、防御率1.74被打率.252奪三振率8.5与四死球率2.6でした。また3A通算でフライ率が28%(MLB平均23%)と高いフライボーラーです。ただし今季はゴロ率が52%に上昇して成績を向上しました。

投手としての特徴は「サイド気味のリリース」「変化球の変化量が大きい」「フライ率が高い」「被本塁打が少ない」などがあげられます。

ストレート平均球速は150.5km/hとNPB平均よりも速く、回転数は1990回転と回転数が非常に少ないです。変化量はツーシームみたいです。

チェンジアップは平均142.0km/hと高速で、縦変化量が大きいですが制球に課題があります。このチェンジアップは東京五輪で村上宗隆選手を一ゴロに討ち取ったので期待出来るボールです。