第9回 【メジャー(MLB)右投手】コース別被打率、被本塁打
前回からの続きで2020年のメジャー(MLB)右投手のトラックマンデータの解析結果を紹介したいと思います。
分量が多いので数回に分けて紹介します。今回はメジャー(MLB)右投手のコース別被打率、被本塁打です。
Baseball Savantからのデータの取得とCSVファイルの説明については、過去記事を参考にして下さい。
第1回 メジャー(MLB)投手のトラックマンデータ取得方法(csvファイル)
第5回 メジャー(MLB)投手のトラックマンデータ(csvファイル)の説明
第6回 メジャー(MLB)右投手の球種、投球割合
第7回 メジャー(MLB)右投手のコース別投球割合
第8回 メジャー(MLB)右投手のカウント別投球割合
1. 球種別被打率


ストレート、ツーシーム、カットボールの速い球種の被打率が悪い。
意外と被打率は左打者の方が低い。
特にカットボールは右打者に比べてとても低い。
チェンジアップは左打者の方が投球割合が多いにも関わらず、被打率は高い。
2. コース別投球数と被打率
右投手のコース別被打率(右打者・2020年).png)
右投手のコース別被打率(左打者・2020年).png)
やはりストライクゾーン、ボールゾーンのどちらもアウトローの被打率が低い。
ストライクゾーン内ではインローが被打率が高い傾向にある。
左打者は高めの被打率が低く、特にアウトハイの被打率が低い。

ストレートのコース別被打率
右投手のコース別被打率(右打者・2020年)_ストレート.png)
右投手のコース別被打率(左打者・2020年)_ストレート.png)
右打者はアウトロー、左打者はアウトハイの被打率が低い。
どちらも高めのボール球の被打率が低く、
変化球のコンビネーションを考えると高めの真っ直ぐは有効であるといえる。
右打者はインローが真ん中よりも危険。
ツーシームのコース別被打率
右投手のコース別被打率(右打者・2020年)_ツーシーム.png)
右投手のコース別被打率(左打者・2020年)_ツーシーム.png)
ツーシームは右打者はインコースの被打率が高い。
逆に左打者はアウトコースの被打率が高い。
捕手目線でベース右側の被打率が低いので、バックドアは有効であることが分かる。


詳しくはメジャーでツーシームが激減した理由はフライボール革命対策
スプリットのコース別被打率
右投手のコース別被打率(右打者・2020年)_スプリット.png)
右投手のコース別被打率(左打者・2020年)_スプリット.png)
右打者はインコースの方が被打率が低くて有効。
ストレートなどの甘い球が来たと思って、空振りが多いと予想される。
当然、アウトローも被打率が低い。
左打者はアウトローかインハイの被打率が低い。
カットボールのコース別被打率
右投手のコース別被打率(右打者・2020年)_カットボール.png)
右投手のコース別被打率(左打者・2020年)_カットボール.png)
右打者のカットボールはインコースの方が被打率が低くて有効。
左打者はアウトコースの被打率が低いので、フロントドアは有効であることが分かる。

チェンジアップのコース別被打率
右投手のコース別被打率(右打者・2020年)_チェンジアップ.png)
右投手のコース別被打率(左打者・2020年)_チェンジアップ.png)
右打者はチェンジアップはアウトローかアウトハイの被打率が低い。
低めのボールゾーンに投げると被打率がとても低い。
左打者は低めのボールゾーンは被打率が低いが、
ストライクゾーン内は全体的に高めである。
スライダーのコース別被打率
右投手のコース別被打率(右打者・2020年)_スライダー.png)
右投手のコース別被打率(左打者・2020年)_スライダー.png)
右打者はインハイとアウトローの被打率が低い。インローは被打率が高い。
左打者はアウトローか高めの被打率が低い。
あとインローのボール球はとても有効である。
カーブのコース別被打率
右投手のコース別被打率(右打者・2020年)_カーブ.png)
右投手のコース別被打率(左打者・2020年)_カーブ.png)
右打者はアウトローの被打率が低い。
他のストライクゾーン内は全体的に被打率が高い。
左打者はアウトハイかインハイの被打率が低い。
あと左右関係なく、低めのボール球は有効である。
ナックルカーブのコース別被打率
右投手のコース別被打率(右打者・2020年)_ナックルカーブ.png)
右投手のコース別被打率(左打者・2020年)_ナックルカーブ.png)
右打者はコースで顕著でアウトコースの被打率が低い。
左打者はアウトハイと真ん中高めの被打率が低い。
あと左右関係なく、低めのボール球は有効で、インハイの被打率はとても高いので危険。
3. コース別被本塁打
右投手のコース別被本塁打(右打者・2020年).png)
右投手のコース別被本塁打(左打者・2020年).png)
やはりストライクゾーン、ボールゾーンのどちらもアウトローの被本塁打が低い。
ストライクゾーン内ではインローが被本塁打が高い傾向にある。
4. まとめ
今回は2020年のメジャー(MLB)投手のトラックマンデータの解析結果として、
「メジャー(MLB)右投手のコース別被打率、被本塁打」を紹介しました。
・被打率と被本塁打数のどちらもアウトローが低く、インローが高い
・「バックドア」「フロントドア」の被打率は低い
・左打者は高めの被打率が低く、特にアウトハイの被打率が低い
・ツーシーム、カットボールはフライボール革命の影響で被打率が高い
次回は「メジャー(MLB)右投手の平均球速、平均回転数」を紹介する予定です。
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