第11回 【メジャー(MLB)右投手】平均リリースポイント・平均変化量
前回からの続きで2020年のメジャー(MLB)右投手のトラックマンデータの解析結果を紹介したいと思います。
分量が多いので数回に分けて紹介します。今回は平均リリースポイント・平均変化量です。
Baseball Savantからのデータの取得とCSVファイルの説明については、過去記事を参考にして下さい。
第1回 メジャー(MLB)投手のトラックマンデータ取得方法(csvファイル)
第5回 メジャー(MLB)投手のトラックマンデータ(csvファイル)の説明
第6回 メジャー(MLB)右投手の球種、投球割合
第7回 メジャー(MLB)右投手のコース別投球割合
第8回 メジャー(MLB)右投手のカウント別投球割合
第9回 メジャー(MLB)右投手のコース別被打率、被本塁打
第10回 メジャー(MLB)右投手の平均球速、平均回転数
1. 平均リリースポイント
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右投手の平均リリースポイント_前後.png)
右投手の平均リリースポイント_表.png)
フォークやナックルはサンプルが少ないので、偏った位置にある。
フォークはカイル・ケラー投手が投げた3球のみのデータだが、
リリースポイントからカイル・ケラー投手のウイングスパンが長いことが分かる。
ナックルはリリースポイントが異常に速く、頭から離れている。
捕手目線で見ると、ツーシームとチェンジアップがストレートよりも三塁側にあり、低い。
スプリットは一塁側にあり、逆に高い。
三塁側からの目線で見ると、ストレートが一番球持ちが良い。
曲げる変化球であるスライダー、ナックルカーブ、カーブはリリースポイントが速い。

これがツーシームの被打率が高い原因かも?

2. 平均変化量
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右投手の平均変化量_表.png)
フォークやナックルはサンプルが少ないので参考にならない。
フォークの変化量を見ると、フォークというよりツーシームに近い。
ストレートは真っ直ぐではなく、40.4cmホップして18.1cmシュートしているのが分かる。
思っていたのと違ったのはスプリット、チェンジアップ、カットボール、スライダーです。
スプリット、チェンジアップは、ストレートに対してツーシームくらいしか落ちていない。
またストレートよりもシュートしている。
カットボールは思ったよりもホップ成分が少ない。
スライダーはほとんど曲がっていなく、最近流行の「スラッター」の軌道のイメージです。
たぶん「スラッター」をカットボールとスライダーにトラックマンでは判断していると予想。


3. まとめ
今回は2020年のメジャー(MLB)投手のトラックマンデータの解析結果として、
「メジャー(MLB)右投手の平均リリースポイント・平均変化量」を紹介しました。
・ツーシームとチェンジアップのリリースポイントは、ストレートよりも三塁側で低い
・スプリットのリリースポイントは、一塁側で高い
・ストレートが一番球持ちが良い
・曲げる変化球であるスライダー、ナックルカーブ、カーブはリリースポイントが速い
・ストレートは真っ直ぐではなく、40.4cmホップして18.1cmシュートしている
・スプリット、チェンジアップは、ツーシームくらいシュートして落ちている
・カットボールは思ったよりもホップ成分が少ない
・スライダーはほとんど曲がっていなく、最近流行の「スラッター」の軌道のイメージ
次回は「メジャー(MLB)右投手の軌道シミュレーション」を紹介する予定です。
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