第77回 【有原航平】ストレートを投げていない?(2021年4月3日投球分析)

2023年2月9日

メジャーの日本人投手が全員投げたので、初登板の投球分析を紹介していこうと思います。

今回は「有原航平投手の2021年4月3日の投球分析」です。

データはBaseball Savantのトラックマンデータを使用しました。

1. 投球概要(2021年4月3日)

有原投手の回別投球数
有原投手の回別投球数

現地時間4月3日、敵地ロイヤルズ戦に先発登板し、5回3失点で勝敗は付きませんでした。

4回までは無失点で好スタートを切りましたが、5回は先頭に本塁打を浴びるなど3失点でした。

投球内容としては6安打、1奪三振、1四球と制球が良かったです。回別投球数を見ても投球数は抑えられているので、ヒットは打たれていましたが、全体的に打たせて取るピッチングが出来ていました。

2. 有原投手はストレートを投げていない?

有原投手のトラックマンデータの球種分類
有原投手のトラックマンデータの球種分類
有原投手の変化量からストレートを分類
有原投手の変化量からストレートを分類

上図のように有原投手のトラックマンデータの球種分類に「4-Seam Fastball」がありません。有原投手はストレートを投げていないのでしょうか?

それを確かめるために有原投手の変化量の図を見ると、ツーシームが2グループに分かれていて、片方がストレートの変化量に似ています。このことから「ストレートがツーシームと判定された」と考えられます。

やきゅまる
やきゅまる
シュート成分が多いからツーシームと判定されるのかな?

3. メジャーでも7色の投球

2020年との比較

有原投手の投球割合_2020年との比較
有原投手の投球割合_2020年との比較

左右別

有原投手の投球割合_左右比較
有原投手の投球割合_左右比較

2020年と比べるとスプリットが少なめで、スライダーを多く投げていましたが、日本時代と変わらず7色の球種をバランス良く投げています。

左右別では、右打者にはツーシーム、スライダーが多く、左打者にはカットボール、チェンジアップを多く投げています。

やきゅまる
やきゅまる
メジャーでもバランスの良い投球をしているね

4. 右打者にストレートを打たれた

有原投手の球種別成績
有原投手の球種別成績

球種別成績としては、全6安打中3安打がストレートを右打者に打たれました。変化球は全体的に有効な使い方が出来ていたみたいです。

5. 球速と回転数

有原投手の球速と回転数
有原投手の球速と回転数

メジャー平均と比較すると、全球種の球速が少し遅く、回転数が少ないです。

昨年の平均球速148.4km/h以上は出ているので、調子は良さそうです。

6. 回別平均球速は安定

有原投手の回別球速
有原投手の回別球速

回別の平均球速は安定していました。ただ点を取られた5回が少し遅くなっているので、ピンチでギアを上げられると良いかもしれません。