第254回 【大谷翔平】8回無失点&自己最多13Kで6勝目(2022年6月22日投球分析)
2022年6月22日、大谷翔平投手(27)が本拠地エンゼルススタジアムでのロイヤルズ戦に「2番・投手兼DH」で投打同時出場。
8回を投げて108球、被安打2、四死球1、MLBキャリアハイの奪三振13、0失点の投球内容で6勝目。
ストレートは平均球速156.0km/hと今季の平均くらいで、いつも以上に球威があったわけでは無いですが、スライダーを43%、カーブを15%と多投して単打2本に抑えました。
今回はそんな「【投手兼DH】大谷翔平投手の2022年6月22日投球分析」を紹介します。
データはBaseball SavantとFanGraphsのデータを使用します。
1. 球種・投球割合
スライダーを42%、カーブを15%と多投
今回はストレート、フォーク、スラッター、スライダー、カーブの5球種でした。
スライダーを43%、カーブを15%と多投して、スプリームは投げませんでした。
※当ブログでは「カットボールをスラッター」と「第二のスプリットをスプリーム」と呼称しています。詳細は過去記事を参照して下さい。
左右関係なくスライダーを多投
上は前回登板までの2022年平均、下は今回の左右投球割合です。
右打者にスライダーを64%、左打者にカーブを22%と多投しました。
2. コース
左の膝元を攻めた
いつもはアウトコース中心の投球ですが、前回同様に左打者の膝元が多いです。これにより今まで打たれていた左打者を抑えることが出来たと考えられます。
一方、右打者は各球種の投球コースが安定しています。ストレートは高め、フォークはインロー、スライダーは高めとアウトローへの投球が多いです。
3. 各成績
三振は8つが右打者、5つが左打者
上図は今回、前回登板までの2022年平均、MLB右投手平均の左右別被OPSです。
いつもより左打者の被打率、被OPSが特に低く、三振は5つが左打者でした。
一方、前回1個だった右打者から三振8個も奪いました。これは前述のように各球種の投球コースが良く、特にスライダーの投球コースが良かったためと考えられます。
見逃しが32個
今回は空振りが14個のみでした。前回の9個よりは多いですが、大谷翔平投手にしては少なく、13奪三振にしてはかなり少ないです。
一方、見逃し32個(前回16個)と見逃しでカウントを整えたり、見逃し三振を5個も奪いました。特にスライダーは19個、カーブは8個と驚異的な見逃し数です。
全体としてはストライク率66%(前回58%)、ゾーン内率56%(前回46%)とゾーン内への投球が多く、ストライク先行の投球でした。
4. リリースポイント
リリース位置が体から遠く、高い
左図は捕手目線、右図は三塁側から投手を見たリリースポイントです。◇は2022年平均、△はMLB平均です。
前回同様にリリース位置が体から遠く、高いです。一方、球離れはいつもぐらいでした。
最後のスライダーはスリークォーターくらい横から投げたため、アウトコースなのに打者がのけ反るくらいのボールでした。
5. 球速と回転数
平均球速156.0km/h、最高160.8km/h
上図は球種別の平均球速と回転数のグラフで、◇は2022年平均、△はMLB平均を表しています。
ストレートは平均球速156.0km/h、最高球速160.8km/h、回転数は2182回転でした。
カーブはカウントを取るスローカーブと、球速が速く回転数が多く決め球のパワーカーブの2種類を投げ分けていました。
球速はいつも位、回転数は少なめ
ストレートは平均球速156.0km/hで今季の中では平均くらいでした。回転数は2182回転と今季の中では少なめでした。
6回まで球速維持
7回までは平均球速を維持していましたが、8回は流石に153.3km/hまで平均球速が下がりました。
6. 回転軸と変化量
回転軸
上図は捕手側から見た球種別の回転軸の向きで、◇は2022年、点線はMLB平均を表しています。数値は回転数で、中心から離れるほど回転数が多くなります。
真っスラが少ない
上図は捕手側から見た球種別の変化量で、◇は2022年、△はMLB平均を表しています。
ストレートは真っスラが少なく、変化量が不安定です。
フォークは落差が大きいです。
スライダーは横変化量が多い球が増加しています。
まとめ
①スライダーを42%、カーブを15%と多投
②左の膝元を攻めて、左打者を抑えた
③右打者は各球種の投球コースが安定
④見逃し32個(前回16個)
⑤リリース位置が遠くて高い
⑥平均球速156.0km/h、2182回転
⑦最速160.8km/h
⑧真っスラが少ない
⑨フォークの落差が大きい
⑩スライダー横変化量が大きい
今回は「【投手兼DH】大谷翔平投手の2022年6月22日投球分析」を紹介しました。
8回を投げて108球、被安打2、四死球1、MLBキャリアハイの奪三振13、0失点の投球内容で6勝目。
ストレートは平均球速156.0km/hと今季の平均くらいで、いつも以上に球威があったわけでは無いですが、スライダーを43%、カーブを15%と多投して単打2本に抑えました。
いつもはアウトコース中心の投球ですが、前回同様に左打者の膝元が多く、今まで打たれていた左打者を抑えることが出来たと考えられます。
一方、右打者は各球種の投球コースが安定していて、ストレートは高め、フォークはインロー、スライダーは高めとアウトローへの投球が多かったため、三振を多く奪えたと考えられます。
また制球が良いだけでなく、フォークは落差が大きく、スライダーは横変化量が多い球が増加して球質もかなり良かったです。
ただストレートは真っスラが少なかったのは良かったですが、変化量が不安定だったので、次回登板ではホップ成分が多いストレートが増えることに期待したいです。
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