第85回 【ダルビッシュ有】ツーシームの軌道シミュレーション
現地時間4月17日、ダルビッシュ投手はパドレス本拠地でのドジャース戦で、クレイトン・カーショー投手とハイレベルなエース対決を繰り広げました。
ダルビッシュ投手は7回1安打1失点9奪三振3四死球と好投しましたが、味方打線がカーショー投手の前に無得点に終わり、今季初の敗戦投手になりました。
この試合のダルビッシュ投手の投球で話題になっているのが、「ツーシーム」です。
今回はその「ダルビッシュ投手のツーシーム(2021年4月17日)」について分析したので紹介します。
データはBaseball Savantを使用します。
1. 左打者が避けたボールがど真ん中へ
6回2死に2-2からマンシー選手に投げたツーシームは、内角ボールから大きく変化してど真ん中に決まりました。
2. 平均球速はストレート以上
ストレートの平均球速は2020年より3km/h近く遅かったですが、ツーシームの球速は2020年並みでした。そのため4月17日のツーシームの平均球速はストレートよりも1km/h速かったです。
3. 変化量はスライダー並
ツーシームの変化量は2020年より2021年(4月1日~12日)はホップ成分が増加していましたが、4月17日にはさらにシュート成分が10cm以上増加しました。
「ツーシームを多投するとストレートはシュートしやすくなる」と言われていますが、確かにストレートもシュート成分が増加しています。ホップ成分も増加していているので、ストレートはさらにシュートライズするようになりました。
4. 曲がりすぎると「ボール」とコールされやすい
4月17日ツーシームのベース上の位置を見ると、それほど際どくないストライクゾーンのボールが「ボール」とコールされています。
大谷選手のスライダーなどもそうですが、変化が大きい変化球は「ボール」とコールされやすい傾向に感じます。審判も人間ですので、これは仕方ないかもしれません。
5. ど真ん中のツーシームの軌道を再現
ど真ん中のツーシームの軌道、また投球割合の多いスラッター、ストレートを同じ角度に投げた時の軌道を計算しました。
ツーシームは左打者にしか投げていないので左打者をイメージすると、スラッター、ストレートは共にデッドボールになります。3球種とも左打者からすると、真っ直ぐ自分に向かってくる軌道です。
6. まとめ
①ストレートよりも1km/h速い
②シュート成分が10cm以上増加
③ストレートもシュートライズ化
④「ボール」とコールされやすい
⑤ど真ん中のツーシームの軌道を再現
これまでのダルビッシュ投手の記事は下記になります。
おまけ
ストレートとツーシームを交互に表示する軌道シミュレーションも作成しました。
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